
テザー(Tether)がトルコによる10億ドル相当の資産凍結を支援——同社のコンプライアンス戦略が変化
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テザー(Tether)がトルコによる10億ドル相当の資産凍結を支援——同社のコンプライアンス戦略が変化
テザーは、潜在的な投資家を惹きつけるためのコミュニケーションにおいても、犯罪活動との闘いに取り組んでいると、しばしば外部に宣伝している。同社は、最高で5,000億米ドルの評価額で資金調達を目指している。
執筆:ライアン・ウィークス、トッド・ギレスピー、タイラン・ビルジク
翻訳編集:ルフィー、Foresight News
1月30日、トルコ当局はベイセル・サヒン氏名義の5億ドル超の資産を凍結すると発表した。サヒン氏は違法なオンライン賭博プラットフォームの運営およびマネーロンダリング容疑で起訴されている。イスタンブール首席検察官によると、この凍結措置は、トルコ政府の要請を受けた名前の明かされていない暗号資産企業によって実施されたという。
その企業とは、時価総額1850億ドルのステーブルコインUSDTを発行するTether Holdings SAである。同社は最近、マネーロンダリング、麻薬取引、制裁回避など、さまざまな暗号資産関連犯罪の取り締まりに向け、世界中の各国政府と積極的に協力している。
Tetherの最高経営責任者(CEO)パオロ・アルドアーノ氏は、ブルームバーグ・ニュース社による最近のインタビューで次のように述べている。「法執行機関から連絡があり、関連情報を提供された後、当社はそれを確認し、自社が所在する国における法律に基づいて行動を起こしました。米国司法省や連邦捜査局(FBI)などとの協力においても、同様のプロセスを踏んでいます。」
Tetherは本件についてさらにコメントを控えている。ブルームバーグ社はサヒン氏への取材を試みたが、連絡が取れなかった。また、トルコの当局者一名も、検察官声明で言及された企業名の開示を拒否した。
今回凍結された4億6,000万ユーロ(約5億4,400万ドル)相当の資産は、トルコが展開中の大規模な法執行活動の一環であり、現時点で同国が凍結済みの関連資産総額は10億ドルを超える。トルコのテレビ局NTVの報道によると、サヒン氏の資産凍結発表から数日後、別の人物がマネーロンダリングおよび違法賭博容疑で捜査対象となり、同氏名義の5億ドル相当の暗号資産も凍結されたが、今回の凍結がTether発行のトークンを含むかどうかは現時点では不明である。
ブルームバーグ社の取材に対し、機密性の高い法的問題に関して匿名を条件に話したトルコ当局者は、当局が資金の流れを追跡し、暗号資産を分析することで、こうした違法収入にまつわる「金融的痕跡」を特定したと明らかにした。また、今後も違法賭博および不正支払いシステムに関与する者に対して、同様の資産凍結措置を講じていく意向を示した。
Tetherにとって、今回の凍結措置は、同社が実施する資産凍結操作の増加傾向の一例に過ぎないが、これは同社が世界中の法執行機関との協力を一層強化していることを如実に示している。
分析会社エリプティック(Elliptic)が1月に公表した報告書によると、2025年末までにTetherおよび競合他社のサークル・インターネット・グループ(Circle Internet Group Inc.)は、約5700のウォレットをブラックリストに登録しており、その対象となる資産総額は約25億ドルに上る。この数字は2年前にはほとんどゼロに近かったという。凍結されたウォレットのうち、約4分の3はUSDTを保有していた。
エリプティックのアジア太平洋地域における暗号資産脅威インテリジェンス担当責任者アルダ・アカルトゥナ氏は、「暗号資産の合法的な活用およびグローバルな決済システムへの統合が加速するにつれ、違法利用も増加しており、これがステーブルコイン発行企業によるより積極的な介入を促している」と指摘している。
Tetherは、潜在的な投資家を惹きつけるためのコミュニケーションにおいても、犯罪撲滅に向けた取り組みを積極的に宣伝している。同社は、最高5000億ドルの評価額での資金調達を目指している。同社の公式ウェブサイトによると、Tetherはこれまで62カ国で1800件以上の法執行機関からの依頼に対応し、違法行為に関与する疑いのあるUSDTとして34億ドル相当の資産を凍結した実績がある。
Tetherのパートナー企業であるアンカレッジ・デジタル・バンク(Anchorage Digital Bank)の共同創設者兼CEO、ネイサン・マコーリー氏は、インタビューで次のように述べている。「彼ら(Tether)は非常に前向きな協力姿勢を示しており、ステーブルコイン発行企業の中でも、法執行機関からは『確立された最高の評判』を得ています。」
アンカレッジは、Tetherが米国市場復帰を象徴する形で先月下旬に発行した、米国規制準拠のドル・ステーブルコインUSATの発行元である。
これは、数年前まで緊張関係にあったTetherと米国規制当局との関係が大きく転換したことを示すものである。2018年に規制当局と衝突した後、Tetherは事実上米国市場から撤退し、2021年には準備金を虚偽申告したとして4,100万ドルの和解金を支払った。
しかし、トランプ政権二期目は暗号資産業界を歓迎する姿勢を示している。昨年、アルドアーノ氏ら複数の幹部が、トランプ大統領がステーブルコイン規制法案に署名する式典に出席した。
とはいえ、TetherのUSDTは依然として犯罪者によって広く利用されていることから、規制当局の継続的な監視対象となっている。
1月9日、米国バージニア州東地区連邦検察官事務所は、ベネズエラ国籍の人物がUSDTを用いて10億ドル相当のマネーロンダリングを行ったとして起訴したと発表した。エリプティックが最近公表した報告書によると、イラン中央銀行は米国の制裁を回避し通貨危機を緩和するために、5億ドル超のUSDTを購入したという。
トルコで指名手配中のサヒン氏は、違法なオンライン賭博プラットフォームの資金を洗浄する組織を率いていたと容疑をかけられている。地元メディアの報道によると、サヒン氏は2017年に10年の懲役刑を言い渡され、2023年に釈放されたが、その後1か月以内に再び21年の懲役刑を宣告された。現在、サヒン氏の行方は不明だが、トルコの公式通信社アナドール通信社(Anadolu Agency)は1月30日、当局が「サヒン氏をトルコへ送還するための法的手続きを進めている」と報じている。
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