
ビットコインが8万2000ドルを割り込む、知っておくべき10のこと
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ビットコインが8万2000ドルを割り込む、知っておくべき10のこと
システム内で敵を探すのではなく、システム内で法則を見つけることに努めなさい。
01 暴落:ビットコインの「ブラックフライデー」
先週金曜日は、ビットコインにとって文字通りの「ブラックフライデー」だった。
11月21日、ビットコインは8万2000ドルの壁を割り込み、一時は8万ドル近くまで下落した。10月6日に記録した12万6000ドルという過去最高値から、実に35%も下落したことになる。この24時間のうちに、全世界で強制清算された取引の総額は、驚異の10億ドルを超えた。数十万人のトレーダーが、この暴落の中で血の涙を流すことになった。
なんと。10億ドルだ。
確かにビットコインの価格変動はよくあることだが、なぜ今回はこれほど激しく、突然やってきたのか?
その理由を整理してみよう。
まずは、暴落の直接的な原因から説明しよう。
機関投資家たちが、大量に保有するビットコインETFを売却したのだ。
02 ビットコインETF:ビットコインの「肉券」
「ビットコインETF」とは何だろうか?
あなたは豚肉に投資したい。豚肉の価格が上がると思っているからだ。
しかし昔なら、自分で豚を飼う必要があった。時間も手間もかかり、リスクも高い。だが今、信託会社が現れた。彼らは100万頭の豚を買い、専門の豚舎に入れた。そして、その所有権を1億枚の「肉券」に分割し、株式取引所で売買できるようにした。つまり、あなたは株式口座を開くだけで、「肉券」を株のように買うことができる。あるいはこれを「豚肉ETF」と呼んでもよい。
この「肉券」こそがETF(Exchange-Traded Fund)であり、正式には上場投資信託という。
ビットコインETFとは、要するに「ビットコイン券」のことだ。実際のビットコインを保有しなくても、価格変動に連動して利益・損失を得られる仕組みである。
2024年1月、米国の規制当局はついにこれを正式に承認した。なぜか?理由は多いが、直接の契機となったのは、規制当局が暗号資産企業との重要な訴訟で敗れたことにある。また、ウォール街の大手金融機関ベライズも率先して申請した。最終的に、当局は門戸を開かざるを得なかった。
こうして、金や石油だけでなく、ビットコインにもETFが誕生した。
ETF自体がビットコインの性質を変えるわけではないが、資金の流入・流出の方法を根本的に変えた。
一方では「超乗車ルート」となり、大量の資金が簡単に流入できる。他方では「超降車ルート」となり、これらの資金がかつてないスピードで一気に撤退することも可能になる。
それならば、なぜ機関投資家たちは好端な状態で、大量にビットコインETFを売却し、一気に市場から撤退したのだろうか?
それは、彼らがFRB(連邦準備制度理事会)の一連の「タカ派発言」を聞いたからだ。
03 タカ派発言:諦めろ、利下げは絶対にしない
どのようなタカ派発言か?
最近の例を挙げよう。
2025年11月20日、つまり暴落の前日、FRB議長パウエルが演説を行った。まず彼の発言原文を見てみよう。
進展を認めているものの、インフレ率は依然としてわれわれの目標である2%を大きく上回っている。勝利を宣言したり、利下げの時期を推測したりするのは極めて時期尚早だ。われわれは十分に準備しており、物価安定の任務が確実に達成されるまで、引き続き緊縮政策の姿勢――すなわち金利を「より高い水準でより長期間維持する」――を続けるつもりである。
この発言には多くの重要な情報が含まれている。「インフレは依然として根強い」「利下げを予想するのは極めて不成熟」「金利は『より高い水準でより長期間』維持される」などだ。
つまりこれは、「夢を見るのはやめろ、問題はお前たちが思うより深刻だ」「12月の利下げ期待は完全に誤りであり、思い込みだ。私は公式に否定する」「高金利環境は一時的ではなく、今後が新たな常態となる。パーティーは終わった」という意味だ。
だが、これを核心にまとめれば、実はたった一言だ。
「今すぐ言えることがある。われわれは利下げしない。」
しかし、利下げしないことと、機関の売却行動にはどんな関係があるのか?
パウエルの発言は、市場に対して「米国債の新規債券(新債)はより高い金利を持つ」と伝えることに等しいからだ。
04 新債金利:お金の「公式指標金利」
なぜ?なぜ「利下げしない」と「新債金利が高くなる」のか?
金融市場を「お金のスーパー」と考えてみよう。
FRBはその店の店長であり、特別なカウンターを持っている。それは「公式無リスク運用カウンター」だ。「利下げしない」とは、店長が拡声器で叫んでいるようなものだ。つまり「私の公式カウンターは、今後も年利5.5%を提供し続ける。しかもリスクゼロだ」と。
この5.5%こそが、お金のスーパーにおける「公式指標金利」なのである。
ここで、米国政府という出店者が、新たな借用書(=新規国債)を発行し、顧客からお金を借りようとする。このとき、3%の金利を提示できるだろうか?できない。顧客はこう考えるだろう。「私は狂っているのか?それなら年利5.5%の店長のカウンターに預けるべきではないか?」
まさに、この指標金利の効果によって、それより「高価」(=金利が低い)な債券はすべて売れなくなる。
そのため、実際に借入するために、米国政府が発行する新債は、FRBの公式金利に匹敵、あるいはそれを上回る金利(例えば6%)を設定せざるを得ない。
これが「利下げしない」と「新債金利が高くなる」の因果関係だ。
だが、新債はあくまで将来の話。まだ発行されていない。なぜ機関は今すぐ売却を始めるのか?
なぜなら、誰もが知っている。この「期待」が生まれた瞬間、資産価格はすでに暴落し始めるからだ。
05 期待:市場は「価格下落」で「利回り調整」を行う
なぜなのか?
誰もが馬鹿ではない。より高いリターンが得られる資産が登場し、かつ既存の利息が変更できない場合、低利回りの資産は「価格を下げる」ことで、事実上の利回りを引き上げるしかない。
例えば、200万円で買った家から年間10万円の家賃が得られるとする。利回りは5%だ。もし家賃が変わらないなら、価格が半分の100万円まで下落すれば、利回りは即座に10%に跳ね上がり、購入を検討する人も出てくるかもしれない。
同様に、将来6%金利の新債が発行されると予想されれば、現在3%の旧債は次々と売却される。大量の売りによって旧債価格は下落する。
どこまで下落するか?詳細は非常に複雑だが、大まかに言えば、旧債の価格は、その利回りが新債の期待利回りとほぼ一致するまで下落し、市場が新たな均衡点を見つける。
だから今売るのだ。今のほうがまだ良い価格で売れるから。
さらに、旧債だけでなく、ビットコインのような高Beta資産は、なおさら急いで売却される。
06 高Beta資産:「気性の荒い」資産、誰もが売却対象
「高Beta資産」とは何か?
Betaとは、「資産の気性の荒さ」を測る指標だと考えればよい。
市場全体のBeta値を1とすると、それは普通の家庭用車のようなものだ。Beta値が高い資産はF1レーサーのような存在である。晴天(リスクオン)のときは、多くの人がレースを楽しむ。なぜなら高いリターンが期待できるからだ。だが雨天(リスクオフ)になれば、多くの人は安全志向になり、制御不能になりやすいレーサーを売却し、安全な家庭用車に戻る。
ビットコインは典型的な高Beta資産である。だから優先的に、しかも大規模に売却される。データによると、11月21日前の数週間、米国の現物ビットコインETFは5週連続で資金純流出が続き、累計売却額は26億ドルに達した。
なるほど。つまり避難のために、機関はこれらの資産を売却したのだ。だが、なぜそれが何十万人もの強制清算を引き起こす崩壊につながったのか?
機関の行動が、パニックによる踏みつけ事故を引き起こしたからだ。
07 パニックによる踏みつけ:巨石転落、群衆逃走、連鎖爆発
「パニックによる踏みつけ」とは何か?
最初は、巨石が転がり落ちることから始まる。
主力である機関の売却は理性的であっても、山頂から巨石を突き落とすことと同じだ。市場の需給バランスが崩れ、価格が第一波の下落を始める。
次に、群衆が逃げ出す。
何千人もの個人投資家が、転がる巨石を見て恐怖に支配され、次々と売却を始める。「大機関さえ逃げているのだから、私も逃げ遅れるな」と。売却範囲が広がり、価格は加速して下落する。
最後に、連鎖爆発が起きる。
価格の急落が、レバレッジ取引の「強制決済(ロスカット)」をトリガーする。つまり強制清算(マージンコール)だ。その後は螺旋状に下降する。価格下落 → 強制清算 → 価格さらに下落 → さらなる強制清算…
投資の世界では、貪欲よりも恐れのほうが速く、恐れよりもコンピュータプログラムのほうがさらに速い。
だから、ビットコインはなぜ暴落したのか?
FRBのタカ派発言により、新規国債が非常に魅力的になった。リスク回避のために、機関は高リスクのビットコインを優先的に売却し、旧債も同時に売却した。その大規模なビットコイン売却が、最終的に市場のパニックと崩壊を引き起こしたのである。
そう。本質的には、これは米国政府から「羊毛を刈る」行為なのだ。
08 米国政府から羊毛を刈る:資本に信念はない、あるのは流れだけ
「米国政府から羊毛を刈る」とは何か?
面白い話をしよう。
市の交通秩序を整えるため(インフレ抑制)、警察署長(FRB)は、市中心部の銀行(米国政府)の金庫を24時間鍵をかけずに開放するよう命じた。誰でも自由にお金を持ち出せる。
銀行の支店長は不満だが、従わざるを得ない。
小王という男は、改造レーサー(ビットコイン)を運転して冒険に向かっていたが、この話を聞くとすぐにレーサーを売却し、警察署長が推奨するこのリスクゼロで確実に儲かる銀行に行って、お金を手にした。
これが「羊毛を刈る」ことだ。
具体的には、ビットコインのような高リスク資産を売却し、その資金を、米国政府(最終的には納税者)が歯を食いしばって支払う、低リスクで金利の高い国債に移すことを意味する。
資本には信念がない。あるのは流れだけだ。
ビットコインの崩壊は、再びこの真実を証明した。
だが、あまりに滑稽ではないか。FRBはなぜ米国政府と対立するのか?
それぞれに固有の使命があるからだ。
09 アクセルとブレーキ:老朽車が壊れないようにする
米国政府とFRBは、一台の車の「アクセル」と「ブレーキ」のようなものだ。
米国政府(財務省)はアクセル。その役目は支出と借入を通じて経済を刺激すること。そのため、借り入れの金利は低いほど望ましい。
FRBはブレーキ。その役目は物価の安定(インフレ管理)と雇用の最大化だ。スピードが上がりすぎてエンジンが過熱(インフレ)しないよう、時にはブレーキを踏む(金利引き上げまたは高金利維持)。これにより、アクセルを踏む側にとっては非常に不快な状況が生じることがあっても、仕方がない。
このようにブレーキを政治家の手から離す制度設計が「中央銀行の独立性」である。目的は、より大きな災害――悪性インフレーション――を防ぐことだ。歴史的に、印紙機を掌握した政府が乱造し、経済が崩壊したケースは無数にある。
一見対立しているように見えるが、最終的な目標は同じだ。200年以上走ってきたこの老朽車が、バラバラにならないようにすること。
10 複雑系:システムを「人格化」してはいけない
さて、ビットコインに戻ろう。
ビットコインはさらに下落を続けるのか、それとも反騰するのか?
分からない。
しかし、これまでの教訓として学ぶべきことは、「システムを人格化しないこと」だろう。
今回の崩壊は、特定の裏切り者の陰謀や悪意のある人々によるものだと主張する人もいる。
本当にそうかどうかは知らない。だが私は、FRB、米国政府、機関、個人投資家といった、無数の個体が、それぞれのルールと動機に基づいて、少なくとも自分にとって最善と思われる選択を行い、その結果が今日の状況を生み出したと考えたい。
システムの中に敵を探すのではなく、システムの中にある法則を探すべきだ。
そうすることで、他人よりも明確な認識を持つことができる。
ひょっとしたら、潮流の方向さえ見通せるかもしれない。
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