
暗号資産規制の新秩序:未来を掌握するのは誰か、排除されるのは誰か?
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暗号資産規制の新秩序:未来を掌握するのは誰か、排除されるのは誰か?
暗号資産は反体制的な技術から高度に規制された資産へと変化しており、その過程で金融市場を再形成している。
翻訳・編集:BitpushNews
要旨:
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各国政府は暗号資産への取り締まりから、規制受容へと方針転換しつつある
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新たな規制により統制力は増すが、プライバシーと分散化への脅威も生じている
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コンプライアンス資産と「ブラックリスト」トークンはやがて分離する可能性
過去10年間で、暗号資産業界は劇的な変化を遂げた。かつてはプログラマーの趣味や、政府・法定通貨に懐疑的な人々のニッチなプロジェクトにすぎなかったものが、今や主流に近づきつつある資産クラスへと成長した。金融システムの周縁でひっそりと存在していたビットコインも、次第に中心舞台へと移ってきている。
現在、ビットコインETFは世界中で取引されており、年金基金の運用担当者もデジタル資産の保有を検討し始めている。主権財産基金も試行的に参入している。2024年には、トランプ政権下の米連邦政府が戦略的ビットコイン準備を設立したほどだ。
こうした周縁から主流への飛躍には、各国政府の規制アプローチの変化が大きく影響している。
暗号資産規制の台頭
ほんの数年前まで、政府の暗号資産に対する姿勢は敵意や軽視が主流だった。いつものことだが、当局者や規制当局は理解できないものを本能的に「禁止」しようとした。しかし彼らが、インターネット全体を停止しない限り、ビットコインのような分散型ネットワークを完全に停止できないことに気づいたとき、規制の方向性は課税と規範化へとシフトした。
こうした措置は、暗号資産が掲げる「分散化と自由」という理念とは相反するが、現実的には業界の発展を促進した。多くの企業や投資家にとって、規制は法的確実性と予見可能性をもたらした。それ以前は、ほぼすべてのビジネス上の意思決定が法的リスクを伴い、プロジェクトの進行は困難を極めた。
スイスは早期に明確な規制を打ち出した国の一つであり、その結果として多数の暗号関連起業家を惹きつけ、「クリプトバレー」と呼ばれるツーク州に拠点を形成した。ここでは、企業の合法性について不安を感じる必要もなく、オフィスが摘発されたり口座が凍結される心配もない。他国も次々と模倣し始め、暗号関連企業はより自信を持って世界的に事業を展開できるようになった。
規制の限界
もちろん、この世界的な規制ブームは一様ではない。穏健なアプローチを取る国もあれば、極めて厳格な立場をとる国もある。中国は2021年に暗号資産の取引および関連業務を全面禁止(ただし個人保有は依然合法)したが、米国は真逆の道を歩み、国家レベルの戦略的ビットコイン準備とデジタル資産保管庫を構築した。
手法は異なれど、傾向は明確だ。全体として規制は強化されつつあり、暗号資産の本質的優位性――プライバシー性、検閲耐性、通貨の安定性、分散化――を直撃している。
例えば、欧州連合(EU)が導入した「暗号資産市場規制(MiCA)」は、市場の秩序立てと消費者保護を目的とする一方で、特に小規模で革新的なスタートアップに対して大きなコンプライアンス負担を課している。MiCAでは1,000ユーロを超えるすべての取引について報告義務が課せられるが、これは米国の銀行が資金洗浄防止(AML)で報告義務を負う1万ドルという基準と比べてもはるかに厳しい。また、ステーブルコイン発行者は顧客資金の少なくとも30%を銀行に預けることが求められており、コスト増加だけでなく、銀行という中央機関を介在させることでむしろリスクを高めている。
現在の資金洗浄防止(AML)規則の実施は、ますます硬直化している。例えば、ある資産が過去の複数回の取引を通じてハッカー行為に関与していた場合、現在の保有者が正当に購入したものであっても、その資産は「マーキング」され、凍結、さらには没収される可能性がある。
このような対応は、古くからの法的原則を無視している。1758年の英国における「ミラー対レイズ事件(Miller v Race)」では、盗難紙幣を善意で取得し、対価としてサービスを受けた所有者でも所有権を保持できると裁判所が判示した。しかし現代の暗号資産規制は、こうした法理をほとんど考慮していない。
二つの暗号市場の将来
高い可能性:規制継続による暗号分散化価値の喪失
もし規制の趨勢が続けば、暗号資産本来の特徴――プライバシー性と分散化――はほとんど消失するだろう。そうなれば、暗号資産は伝統的証券よりも優れている点がなくなり、ユーザーのアカウントは容易に凍結され、資産が政府によって没収される可能性も高まる。分散化の利点も薄れ、システミックリスクが増大する。
その結果、市場は二極化する。一方は「ホワイトリスト資産」で、高いコンプライアンスを満たし、銀行や証券会社を通じて取引可能。もう一方は「ブラックリスト資産」で、匿名チームにより開発され、プライバシーと分散化を重視するが、主流金融システムと互換性を持たず、P2P市場やニッチプラットフォームでのみ流通する。
低い可能性:ブラックリスト資産が逆に魅力となる
ある種の状況下では、ブラックリスト資産のプライバシー性と主権性が一部の投資家を引き寄せ、プレミアムが発生する可能性もある。特に技術に精通し、プライバシーを重視する若い投資家層は、自己管理(セルフホスティング)の手間を厭わず、資産の完全な支配権を得ることを選ぶかもしれない。しかし現実的には、このシナリオの発生確率は高くない。
比較的高い可能性:コンプライアンス資産の価値上昇
歴史的経験からすれば、大規模な資金はコンプライアンス資産を好む傾向にある。ロンドンバーの金地金が価格安定であるのに対し、識別不能な非公式の金地金は割安で取引されるように、将来的にはコンプライアンス済みの暗号資産がより好まれ、価格も高くなるだろう。
これにより、暗号資産クラス全体の再評価が起こる。プライバシーとセキュリティを最重視するトークンはコンプライアンス不適合ゆえに「ジャンク債」として扱われる一方、中央集権的で中央銀行デジタル通貨(CBDC)に類似したトークンは「安定性」を理由にAAA級資産と見なされ、新たな寵児となるだろう。
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