
2024年Web3資金調達状況の分析:パブリックセールプロジェクトが8割以上を占め、小口投資家が団結して生き残りを図る
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2024年Web3資金調達状況の分析:パブリックセールプロジェクトが8割以上を占め、小口投資家が団結して生き残りを図る
今年は公開販売方式によるトークン発行が主流であり、年初から現在までのすべてのトークン発行の81%を占めている。
執筆:Jasper De Maere、Outlier Ventures
翻訳:J1N、Techub News
2024年3月以来、暗号資産市場は大幅な調整局面を迎えており、アルトコイン(ビットコインやイーサリアムを除くトークン)の多く、特に比較的主流とされるアルトコインの価格はピーク時から50%以上下落している。しかし、これは新規上場トークンにはそれほど大きな影響を与えていない。2,000件以上のトークン発行情報を調査した結果、初期段階にあり、資金調達額が数百万ドル規模のプロジェクトにおいて、ネイティブトークン価格が安定しており、マーケット全体とは独立したパフォーマンスを示していることがわかった。
要点まとめ
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Web3のプライベート投資市場では、Pre-Seedおよびシードラウンドで資金調達額が約100万ドル規模かつ長期にわたる調達プロセスを経たプロジェクトほど、次回の資金調達までの期間が長くなり、調達額も少なくなる傾向がある。
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1月から4月までの市場動向を観察したところ、資金調達市場はマーケット相場の変動に対して遅れて反応する傾向があることが判明。つまり、相場が急騰してから約1か月後に大量の資金調達が発生する。
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今年はパブリックセール(公開販売)によるトークン発行が主流であり、年初からのすべてのトークン発行の81%を占めている。どの分野でもプライベートセールの件数がパブリックセールを上回ることはなく、パブリックセールが市場から強く支持されていることを示している。
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各プロジェクトは異なる段階での資金調達後、評価額に大きなばらつきがあり、また情報開示に主観的な偏りがあるため、意味のある結論を導き出すことは困難である。
資金調達規模と分野の成熟度
Web3自体はひとつの業界ではなく、あらゆる業界を変革しつつある技術スタックである。また、Web3内に存在するどの2つの分野も同じではない。創業者のバックグラウンドや提供するブロックチェーンソリューションもさまざまであるため、各分野における資本の必要性も異なる。各分野の資本ニーズを明確にするため、2024年初頭から8月11日までのデータをもとに、資金調達段階ごとの平均調達額を可視化したチャートを作成した。
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X軸:プロジェクトの資金調達ステージ
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Y軸:プロジェクトの平均調達額
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バブル:バブルの大きさは資金調達件数を表す
左下から右上への対角線により、黄色領域と青色領域に分けられる。青色は比較的資金調達額が少ない分野、黄色は資本集約型の分野を示している。
2024年 各分野の資金調達段階と規模
トークン資金調達
年初から8月11日までのデータに基づき、合計375件のプロジェクトを調査した。これらのプロジェクトは、パブリック・プライベート混合型のトークン発行を行ったか、ステーブルコイン以外の通貨で資金調達を行ったものである。
過去1年間、暗号資産市場には375の新規トークンが上場した。うち70件がプライベートセール、305件がパブリックセールによるものだった。トークン上場件数とアルトコイン時価総額の変動を比較したグラフによると、両者は正の相関関係にある。アルトコインの時価総額が上昇トレンドにあるとき、翌月に上場件数が急増する傾向が見られる。ここ数か月は、休暇シーズンや市場の低迷により活動が減少していた。
トークン上場件数とアルトコイン時価総額変動比較図
さらに詳しく分析すると、トークン上場件数だけでなく、プライベートセールによる上場件数も市場の動向と正の相関があることがわかった。これは予想通りといえる。なぜなら、パブリックセールは通常、プロジェクト側がより多くの準備を要するため、長い準備期間が相場の好機を逃す原因になり得るからだ。

トークン発行件数と月次のアルトコイン時価総額上昇率比較図
また、資金調達方法についても分析した。新規上場トークンの約81%がパブリックセールであり、今年に入ってからは、どの分野においてもプライベートセールがパブリックセールを上回った例はない。
X軸は中央を境に左側がプライベートセール、右側がパブリックセールを示し、Y軸は調達額の中央値、バブルの大きさはトークン上場件数を表している。
ゲーム分野が82件、取引所が44件、DeFi収益プロトコルが19件、メタバースが19件と、この4分野が今年のトークン発行の大部分を占めている。

パブリック・プライベートセールの相対シェアと調達額中央値
従来型ベンチャーキャピタル
1,919件の資金調達事例を調査し、各段階のデータを分析した結果、以下の結論が得られた。
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最も活発な資金調達段階はシードラウンドであり、次いでアクセラレータープログラムおよびPre-Seedラウンドである。トークン上場とともに、Pre-Seedとシードラウンドの差は縮まりつつある。
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市場サイクルが活性化するにつれ、エコシステムが増加し、アクセラレーターによる孵化プロジェクトも増えている。
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2024年初頭時点での各段階の平均調達額は、Pre-Seedラウンドが220万ドル、シードラウンドが490万ドル、Aラウンドが1,980万ドル、Bラウンドが5,100万ドルであった。
これらの数字をさらに詳しく見ていくと、シードラウンドが最も活発な調達段階であり、次にPre-Seedラウンドが続く。興味深いことに、近年ではこの2段階を明確に区別する企業が減っており、場合によってはシードラウンドがプライベートラウンドに置き換えられている。
また、多くのアクセラレータープログラムが存在することに注目したい。昨年と比べてその数は増加しており、今年はWeb3分野で新たなアクセラレーターが多数登場している。ただし、助成金に関するデータには問題がある。実際の助成金交付件数は統計値よりも桁違いに多いと考えられ、そのため助成金は資金調達としてカウントしていない。

年初からの各資金調達段階と件数
調達額のデータを可視化したのが以下の図である。実際には、プロジェクト側が調達額を開示しないケースが比較的多いが、サンプル数が十分に多いため、欠損データをある程度推定することが可能である。
図中の灰色部分は推定値である。外れ値の影響を最小限に抑えるため、平均値と中央値を組み合わせた保守的な手法で総額を算出している。

各段階で調達された資金総額
上記2つのグラフを用いて、年初からの各段階における平均調達額の近似値を算出した(単純に総額を件数で割った)。正確さには欠けるものの、同業他社向けに提供している分析と一致している。

各取引段階の平均調達額
最後に、Pre-Seed、シード、Aラウンドの調達額が時間とともにどのように変化したかを分析した。データ上、市場の混乱にもかかわらず、Pre-Seedおよびシードラウンドの調達規模は市場の影響を受けにくく、これは初期段階のプロジェクトが革新性の高い分野に集中しているためと考えられる。
一方、AラウンドはTGE(トークン生成イベント)に近くまたはその段階にあるため、製品の魅力を証明する必要がある。市場の下落は通常、後期段階の投資に大きな影響を与え、資金調達活動と規模の双方が減少する。2022年がまさにそうだった。
2024年初頭からの早期段階の調達規模の増加は、投資家が市場の混乱期の終盤から回復期の初期段階へ移行していると判断したためと考えられ、年初にかけて資金調達市場が活発化した。

1月と比較した各段階の調達規模変化図
データ調整
重要なポイント:
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トークン上場は、一般的にシードラウンド、Aラウンド、戦略的資金調達と同時に行われる。
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短期間に複数の資金調達を行う場合、最も一般的な組み合わせは「アクセラレーター+シードラウンド」である。多くのプロジェクトが新規プログラムに参加中または直後に新たな資金調達を完了している。
ここでは2024年初頭からの暗号資産業界のすべての資金調達データを報告しているが、データ収集過程においていくつかの課題があったため、以下に説明する。
当該データには、1,392社の企業が複数のチャネルで資金調達情報を登録している。これには2つのケースが含まれる。
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1年以内に複数回の資金調達を実施した企業
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従来型の株式投資とオンチェーンのトークン資金調達を同時に実施した企業
以下は、よく見られる資金調達の組み合わせである。最も一般的なのはアクセラレーターとシードラウンドの組み合わせであり、これは理にかなっている。アクセラレーターのプログラムはビジネスモデルのリスク低減に役立ち、多くのプロジェクトがPre-Seedまたはシードラウンドの準備中に参加するためである。また、パブリックセールによるトークン資金調達と戦略的資金調達またはシードラウンドが同時に行われるケースも見られる。これは通常、TGE前またはTGE直前に実施される。さらに、今年はわずか4社のみがシードラウンドとAラウンドを同時に完了している。

各種資金調達スキームと採用件数
これらの傾向を強調するのは、プロジェクトの創業者に伝えるためである。非伝統的な資金調達構造は決して珍しいものではなく、従来の株式とトークンを組み合わせた資金調達を強く推奨する。
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