
肖風が起業家向けに卒業スピーチ:溝を越え、原点に戻る
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肖風が起業家向けに卒業スピーチ:溝を越え、原点に戻る
「ブロックチェーン業界はインフラ整備段階から第二の成長曲線であるアプリケーション段階へと移行した。」
講演:シャオ・フォン

最近、「万物創造営 S4」の卒業授業において、万向ブロックチェーン創設者でありHashKey Group会長、万物島発起人の肖風博士が力強い講演——『Blockchain:原点からの出発』を行いました。彼はRWAやPayFiといった新トレンドについて語り、またVitalikとの対面でのやり取りから得た考察も共有しました。彼は不安をあおったり技術の羅列に終始するのではなく、むしろ皆をブロックチェーン本来の意味へと導き、この業界が今後も成り立つのか、どうやって進むべきかという問いを考えさせます。本稿は原文の意図を変えない範囲で若干の編集を加えています。もし今の状況に迷いを感じているなら、ぜひ繰り返し読み、保存しておいてください。新たな方向性が見えてくるかもしれません。
こんにちは。英木さんから聞いたのですが、市場サイクルや環境の悪化により、「転職すべきではないか」と考える人が増えているようです。彼女はみなさんに「信念」を再充電してほしいと願っています。私ももちろん賛成です。私は2014年からこの業界を信じ続けており、今ではもはや中毒状態です。
最初に一言、嬉しい気持ちを伝えたいと思います。これは私が東銀センターに来る2回目のことです。昨年の万物創造営S3でもここで講演させていただきました。再びここに戻ってきて、顔なじみにも会えて、とても懐かしく感じます。特に長寧区の指導部の皆様に心より歓迎申し上げます。
昨日、香港から帰国しました。4日間にわたるBlockchainサミットへの参加のためでした。中国本土から初めて公式代表団として香港サミットに参加したことは、大きな象徴的意味を持ちます。今回の会議で最も異なる点は、上海市政府が2つの公式代表団(約50名)を香港に派遣したこと。これにより、中国本土の地方政府が初めて暗号資産関連のサミットに公式団体として参加することになりました。
私たちは上海ですでに10年間、ブロックチェーンサミットを開催していますが、香港では3年目になります。なぜ分けるのでしょうか? それは「パブリックチェーン」「Crypto」「トークンエコノミー」といった内容が、中国本土では展開しづらいからです。スピーカーが話せなくなることを恐れ、核となるコンテンツは香港に移しました。今年はQRコードによる統計で、4日間のサミットに8,000人以上の個別参加者が訪れ、延べ人数は数万人に上りました。
アプリケーション爆発期が目前
多くの人が「現在、業界は危機なのか?」と尋ねます。私はそうは思いません。ブロックチェーン業界はインフラ整備段階から第二成長曲線——すなわち「アプリケーション段階」へと移行したと考えます。今年のサミットでは明らかに、プロトコルやインフラに関する議論が減り、RWA、PayFi、USDT決済など応用寄りの話題が主役となりました。これは危機ではなく、転換点、次の爆発の蓄積期だと思っています。「枠組み作り」「プロトコル説明」の時代は終わったのです。新しいチャンスは、この分散型台帳システム上で現実の問題を真に解決するアプリケーションを誰が構築できるかにかかっています。
サミット最終日、私はイーサリアム創設者のVitalikと対談しました。事前の打ち合わせはありませんでしたが、私は彼に「非中央集権化」について話してほしいと希望しました。すると彼はまさに核心を突く一言を述べました。「アプリケーション層では完全な非中央集権化は達成できない。レイヤー1こそ非中央集権化を堅持しなければならない」。
なぜでしょうか? 非中央集権化の本質は「信頼不要(trustless)」と「仲介排除」であり、コスト削減と効率向上を意味します。もしWeb3のコストが従来よりも高く、効率がWeb2以下であれば、なぜ一からやり直さなければならないのでしょう? よく言われる「すべてをWeb3で再構築する価値がある」という考えの前提は、信頼コストが低くなり、システム効率が高まり、ビジネスモデルが成立することです。
ブロックチェーンを難解な理論だと捉えないでください。既に現実世界に入り込んでいます。なぜなら、クロスボーダーECがB2B、B2CからC2Cへとシフトしているからです。顧客はもはや貿易会社ではなく、米国の消費者一人ひとりです。彼はあなたのサイトで50ドルのTシャツを注文し、1週間以内に届くことを期待します。彼が支払い、あなたが発送することで、取引が成立します。最適な支払い方法はUSDTのQRコードをスキャンすることです。即時着金、即時在庫手配、空輸で1週間で到着。銀行も決済システムも必要なく、1秒で信頼と効率の問題を解決します。2023年、中国は全世界に180億個の国際小包を送りました。
USDTベースのブロックチェーン決済システムがなければ、最大の被害者は中国です。だからこそ、香港がステーブルコイン立法を推進しようとしている理由がわかります。新しい決済システムを積極的に受け入れなければ、香港はグローバル貿易の決済センター競争から脱落してしまうからです。
多くの人がまだ「自分もプロトコルを作って、トークンを発行して、一攫千金できるか?」と夢見ていますか? 私が言いましょう。その時代は終わりました。パブリックチェーンの時代は終焉しました。未だにパブリックチェーンを作ろうとする起業家には、技術が劣っているわけではないが、風向きが変わったと伝えます。次に重要なのは、このシステムを使って現実世界のニーズに真正面から応える「アプリケーション」を本当に作れるかどうかです。それが今回私が『Blockchain:原点からの出発』というタイトルを選んだ理由です。ブロックチェーンが生まれた本来の目的とは何か? それは、システム上の信頼を計算可能・検証可能・低コストで実現することです。
ここで「信念」の源について話しましょう。ノーベル経済学賞受賞者のジョン・ヒックスはかつてこう言いました。「産業革命は金融革命を待たざるを得なかった」。人類社会の進化には三つの要素の変化が欠かせません。物質、エネルギー、情報。それぞれの産業革命は、これら三者の同期的な革命です。そして金融革命はしばしば先駆けとなります。
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第一次産業革命:蒸気機。これに伴って銀行融資システムが登場。
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第二次:電気化。これに伴って資本市場と株式会社制度が確立。
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第三次:インターネット革命。中国は中盤から参入。
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第四次:AI+ブロックチェーン。今回は米中が共同で主導。
あなたが今見ているブロックチェーンは、第四次産業革命に対応する次世代金融システムなのです。
あるインタビューで、私はイーサリアム財団に対して率直に意見を述べました。「イーサリアムが今日まで衰退した原因は、中国を失ったことにある」。2014年から2016年にかけて、中国はイーサリアムの開発者とユーザーにとって最も堅固な基盤でした。当時、Vitalikは毎年上海のブロックチェーンカンファレンスに出席しており、初めの7回は一度も欠席しませんでした。しかし2017年、中国の7省庁が関連規制を発表して以降、イーサリアム財団の弁護士は「コンプライアンスリスク」を理由に、「財団メンバーは中国への出張禁止」という規定を制定しました。そのため、Vitalikはそれ以来中国に「欠席」し続けたのです。彼自身が来たくないと望んだわけではなく、「来られない」状態だったのです。
2023年、我々は香港で初のカンファレンスを開催しましたが、彼は依然として出席しませんでした。昨年ようやく彼が承諾し、参加意思を示してくれました。私は毎年彼を招待し続けてきました。そしてこう伝えました。「そろそろ中国に戻るべき時です」。万向ブロックチェーン研究所としても、中国国内でのワークショップ、ハッカソン、技術普及活動を継続して支援したいと考えています。あなた方は中国を失ったことで、世界的な開発者リソースの大きな部分を失ったのです。ブロックチェーン開発者は主に二つの言語圏に集中しています。英語圏と中国語圏です。
私は彼に尋ねました。「イーサリアム財団は欧州にどのくらいの開発者がいますか?」彼はしばらく考えて、「ベルリンに下層技術を担当する少数がいるだけです」と答えました。しかし彼自身も認める通り、イーサリアムの基盤技術は成熟しきっており、残るのは最適化のみで、再構築の余地はありません。アプリケーションの爆発を期待するなら、ベルリンのわずかな技術力、あるいは欧州の開発者だけに頼れるでしょうか? 答えは明らかに「否」です。
そこで私はイーサリアム財団に香港にオフィスを設置することを提案し、冗談交じりにこう言いました。「10月に上海で第11回ブロックチェーンカンファレンスがありますが、もし君が来て逮捕されたら、俺も一緒に服役するよ」。もちろん冗談ですが、実際には中国の技術部門、政府機関、開発者コミュニティはイーサリアムの技術を尊重しています。財団は中国から距離を置き続けるべきではありません。欧州に設置した法務チームは中国の事情を理解していないのに、勝手に規則を作っている。これではますます道を誤るばかりです。これが私とVitalikの個人的なやり取りの内容です。
産業革命の背後には常に金融革命がある
ここでさらに大きな視点から見てみましょう。第四次産業革命に伴う金融革命が進行しています。
第一次産業革命:銀行主導。信用貸付と債券が資金調達の主軸。まだ資本市場は存在しない。
第二次産業革命:米国資本市場主導。投資銀行、ウォール街、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなどが台頭し、電気化の波を支えた。
第三次産業革命:1960年代にベンチャーキャピタル(VC)が誕生し、シリコンバレーが台頭。あるノーベル経済学賞受賞者の言葉を借りれば、「あらゆる産業革命の背後には金融革命がある」。
そして今日、第四次産業革命において、tokenやcryptoを否定すれば、新しい金融パラダイムだけでなく、革命全体の機会を逃すことになります。
過去1年間、私は沈向陽、李開復、周明、香港理工大学人工知能学院院長という4人のトップAI専門家とWeb3とAIの関係について議論しました。彼ら全員が一致して、Web3とAIは表裏一体の問題であり、いずれ必ず融合すると考えています。アメリカにも2人の典型的な人物がいます。
1) Sam Altman:Worldcoinを主導。グローバルに1,000万人のユーザーがおり、四半期ごとに3枚のコインを配布。1枚あたり1ドル未満であっても、膨大な支出です。彼は「AI+Crypto+ソフトウェア」の道を歩んでいます。
2) Elon Musk:Dogecoinを支援しながら、自律走行車やオプティマスロボットを推進。これは「AI+ハードウェア+Crypto」の方向性です。
この2つの方向性はどちらも「左手にAI、右手にCrypto」です。偶然ではなく、歴史の必然です。トランプ大統領さえも反応しました。当初はAI委員会とCrypto委員会を別々に設置する予定でしたが、スタッフの助言により、最終的に「AI + Crypto 大統領委員会」として統合されました。ある暗号アドバイザーから聞いたところによると、この決定の背景にある考えは、「AIとCryptoは分けて管理せず、連携・協働させるべきだ」というものです。
デジタル時代の金融革命とは、分散型台帳と暗号資本に基づく革命です。これを認めなければ、デジタル時代にアメリカの足並みを合わせることはできません。なぜなら、ブロックチェーンは新しい会計システム、決済清算システム、グローバル台帳システムだからです。デジタル世界には国境がなく、空間、時間、組織、国境を越えます。そのため、新しい登記・記帳・決済体系が必要です。従来の金融はこの要求に応えられません。
人類社会の記帳方式は、これまでにたった3度の大変革しかありません。
1) 古代の単式簿記
2) ルネサンス以降の複式簿記(現在も使用中)
3) 2009年、ビットコインが創出した分散型台帳システム
この3度目の記帳革命により、我々は銀行口座から暗号口座の時代へと移行しました。今日、義烏の小売業者がなぜUSDTでの支払いを受け入れるのでしょうか? 銀行口座が不要だからです。暗号口座があれば支払いが完結します。2023年、米ドルステーブルコインの決済総額は16兆ドルに達し、VISAとマスターカードの合計をすでに超えています。銀行が緊張するのは当然、政府が重視するのは当然です。今日、世界中の主要銀行のCEOや会長たちが次々と認め始めています。ブロックチェーンは革命的なシステムであり、効率の飛躍的向上を意味していると。
2012年、ある大会で著名な銀行家たちと「ブロックチェーンは金融を変えるか」と議論したことを覚えています。彼らは「金融の本質は変わらない」と言いました。私は同意しました。金融の本質とは「お金を借りたい」「早くお金を受け取りたい」という3,000年変わらぬ欲求です。銀行が金融の究極形だと思うのですか? 銀行システムはたかだか百年の歴史。中央銀行も400年程度です。中国では昔は為替屋、銀荘があり、さらに前は镖局が銀両を運んでいました。それらはすべて変わってきました。銀行だけが変わらないはずがあるでしょうか?
今見てください。CeFi(中央集権型金融)は従来システム、DeFi(非中央集権型金融)は新システムです。以前私がDeFiの話をすると、銀行はリスクが高いと感じました。しかし私は彼らに聞きました。「貸し出し行為という観点から、銀行とDeFi、どちらがリスクが高いですか?」銀行の自己資本比率はわずか12%、つまりレバレッジは7〜8倍です。高レバレッジで利益を維持しており、モデルが間違えば、例えば2008年のサブプライム危機のように、システム全体が瞬時に崩壊します。一方、DeFiのリスクは透明で、定量可能、チェーン上で追跡可能です。
DeFiとは何か? DeFi(非中央集権型金融)はレバレッジをかけて貸し出すのではなく、資金の回転効率を高めることで収益を実現します。たとえば、価値10万ドルのビットコインをDeFiプロトコルに担保として預けた場合、現在の担保率が約50%であるため、最大5万ドルを借りることができます。つまり、DeFiは超過担保ローンであり、高レバレッジではありません。
DeFiにおける資金回転効率の典型例が「フラッシュローン(Flash Loan)」です。特徴は、1ブロック内で借りてすぐに返済を完了でき、全過程が数秒で終わることです。すべてのシーンに適用できるわけではありませんが、DeFiの高い回転能力を示しています。全体として、DeFiの年間資金回転速度は伝統的銀行の10倍であり、その収益は高頻度の微少利益の累積から得られ、レバレッジ拡大によるものではありません。これはより高度な金融システムであり、強力な生命力を持っています。現在、この「新金融インフラ」の建設は半ば以上進んでおり、まさにアプリケーションの実装を加速する重要な段階です。
新金融インフラの応用と影響
このインフラの普及に伴い、PayFiのような支払いアプリが誕生しました。2024年、ステーブルコインを活用した支払いおよび決済の総額は16.16兆ドルに達し、伝統的銀行システムとSWIFTネットワークを完全に迂回しました。この点において、中国は最大の受益者の一つです。当該の新システムへと支払い決済が移行するケースが増え、商品販売のグローバル展開を支援しています。
金融インフラとは、金融安定を維持し公共利益に奉仕することを目的とした、法律、会計基準などを含む制度的枠組みを指します。技術的にはハードウェアとシステムセキュリティに関わります。「金融市場インフラ」はそのサブセットであり、主に資金の支払い、決済、清算の3つの環節を含みます。
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支払い:クレジットカード利用時、まずアカウントに残高があるかを確認。
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決済:残高があれば、支払い予定額を凍結。
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清算:異なる銀行または口座間での資金の実際の移転を完了。
2016年、イーサリアムで発生した安全事故は、スマートコントラクトが決済プロセスを適切に処理していなかったため、ユーザーが繰り返し資産を引き出せてしまい、約6,000万ドルの損失を出した事件です。この出来事は決済メカニズムの重要性を浮き彫りにしました。中国の外貨取引所、クリアリング所、決済センターなどの機関は、伝統的金融市場インフラの代表例です。これらの機関はさまざまな取引の支払いと決済を保障しています。
伝統的金融システムと比べ、新金融インフラは技術構造、参加主体、決済単位の面で大きな変化を遂げました。その中心はブロックチェーンにあり、取引媒体としてビットコイン、ETH、ステーブルコインを使用し、仲介機関を完全に排除し、信頼不要かつP2Pの効率的な取引を実現しています。
旧システムでは、上海から米国への送金に数日から数週間かかる可能性があります。しかしブロックチェーンのステーブルコインを使えば、数秒で着金します。筆者自身、最近香港から上海へ送金しましたが、1か月後に失敗が判明しました。ステーブルコインを使っていたら、10秒で完了していたでしょう。
これほどの効率とコストの差異があるのに、金融システムの変革方向を再考する価値がないでしょうか? 非中央集権型ブロックチェーンシステムはSWIFTを迂回しますが、米国政府は米ドルステーブルコインの発展を支持しています。トランプ氏は明確に国会に対し、2025年8月までに米ドルステーブルコインに関する立法を通過させるよう要求しています。米国の底線は、「SWIFTは迂回してもよいが、ドルは迂回してはならない」ことです。もしこの新システムがドルさえ迂回したら、米国はグローバル金融支配権を完全に失うことになるからです。
トランプ大統領のアドバイザーは、米国政府が現在最も優先して推進したいのはビットコイン戦略保有ではないと述べました。もちろんそれも重要ですが、最優先は米ドルステーブルコインの立法化です。米国は次世代金融インフラにおいて、ドルが引き続き主要な支払い・決済手段であることを確保しなければなりません。ドルがこの地位を失えば、米国は根本的なリスクに直面します。
歴史を振り返ると、世界にドルを受け入れさせるために、米国は第二次世界大戦後にブレトンウッズ体制を通じてドルを金にリンクさせ、他の通貨はドルにリンクさせる形で、ドルの世界通貨的地位を確立しました。その後体制が崩壊した後、米国はユーロドル市場と「石油ドル」体制を形成し、商品取引の決済通貨をドルに統一することで、ドルのグローバルな用途を築き上げました。今、ドルは第三段階の進化を迎えています。トークン化です。米国政府は「トークン化されたドル」が将来のグローバル金融インフラの中心的位置を占めることを確実にしようとしています。この国家的利益は、ビットコインの保有よりもはるかに重要です。
現在、デジタル通貨システムは急速に発展しており、ビットコインのようなネイティブ暗号資産、USDTやUSDCのようなデジタルツイン型ステーブルコインなど、貨幣形態が貴金属、紙幣、電子マネーから暗号資産へと進化しています。
暗号資産は二種類に分けられます。一つは各国の中央銀行が推進するCBDC(中央銀行デジタル通貨)、これはM0(基礎通貨)に属します。もう一つは市場主導のステーブルコインで、M2(広義通貨)に属し、金融機関が中央銀行の基礎通貨を基に信用を拡大して創出する通貨です。私たちが日常使う銀行預金、理财产品、マネーファンドなどはすべてM2の範疇にあり、銀行負債であって中央銀行資産ではありません。例えば中国では、銀行は50万元までの預金しか保証しません。米国では50万ドルが上限です。それを超える預金は、銀行が破綻すれば保護されません。
金融システムにおいて、M0、M1、M2はそれぞれ異なる機能を担い、互いに代替できません。中央銀行デジタル通貨はM2レベルの通貨を代替することは難しく、すべての消費シーンに適用できません。米国はこの点をよく理解しており、CBDCの発行をしないと明言しています。トランプ氏は選挙期間中に、在任中はFRBに中央銀行デジタル通貨の発行を許可しないと公約しました。FRBも公開声明でその発行を検討していないと表明しています。
理由は明確です。CBDCは国家による支払いデータの全面的掌握につながり、ユーザーのプライバシーを侵害する可能性があります。例えば、米ドルのデジタル通貨が香港、シンガポール、日本での支払いに使われた場合、FRBが取引データを取得できるかもしれません。これは国際的に受け入れがたいことです。強制的に導入しない限り、実現は困難です。米国はその限界を理解しているため、市場が発行し、米ドルにペッグされたステーブルコインの支持に方針転換しました。
RWA(リアルワールドアセット)のトークン化もM2に属します。例えば香港で発行される米ドルマネーファンドのトークン。本質は主権通貨の信用創造であり、銀行などの金融機関が発行するもので、依然として銀行負債です。
次世代の支払い・決済システムの核は、通貨形態の革新だけでなく、資産発行モデルの進化も含まれます。「金ドル」から「石油ドル」、そして現在の「トークン化ドル」へと、各段階の進化がドルの世界的影響力を強めてきました。
注目に値するのは、中国がかつて世界のビットコインマイニングの70%を握っていたことです。つまりビットコインはかつて「中国製」だったのです。しかし規制のため、中国は自らこの戦略資源を放棄し、米国に譲りました。業界としては必ずしも悪いことではないかもしれませんが、国家利益の観点からは大きな損失でした。
AIの発展は新金融システムに明確なニーズを提供しています。将来、数百億台のデバイスが人的介入なしにGDPを創出するようになった場合、それらの間の支払い・決済はプログラマブルマネーに依存する必要があります。伝統的銀行システムでは機械対機械の自動支払いをサポートするのが難しく、ブロックチェーンとスマートコントラクトに基づくシステムのみがこの能力を持ち、他に代替案はありません。この基盤の上に、新たな資産発行システムも構築されつつあります。次世代産業革命はそれに見合う金融革命、すなわち支払い決済システムと資産トークン化の全面的アップグレードを呼び起こしています。現在の主な5種類のトークン資産は以下の通りです。
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支払い型トークン:USDT、USDCなど。法定通貨にペッグされ、日常の支払い・決済に使用。将来、香港ドル、円、ユーロなどのステーブルコインも登場するでしょう。
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準備型トークン:ビットコインなど。リスク資産から戦略的準備資産へと変化しています。米国では複数の州が州政府の資産準備にビットコインを含める法律を制定。家庭資産、企業キャッシュマネジメントから、国家戦略的準備へと進化しています。
『貨幣のピラミッド』という書籍は、ビットコインが将来的に各国中央銀行の準備資産になると予測しています。理由はシンプルです。30歳以下のデジタルネイティブ世代にとって、ビットコインの魅力はすでにゴールドを超えています。この本は今や70〜80歳の中央銀行総裁や財務大臣に向かってこう直言しています。「あなた方はいずれ歴史の舞台から退くだろう。だが、デジタル世界と共に育った若者がその地位を継ぐだろう。彼らこそがビットコインを国家準備に取り入れるだろう」。潮流は逆らえず、個人の意志は時代の流れに抗えないのです。
驚くべきことに、この潮流の先駆けとなったのはデジタルネイティブ世代ではなく、80歳の老人——トランプ氏でした。この現実は「勢いは人より強い」という判断を裏付けています。変革は若い人たちが推進すると思っていたのに、実際には老人が先に実践したのです。
現在、ビットコインが準備資産としての傾向はすでに現れ始めています。最近の市場変動では、ほとんどの暗号資産が大幅に下落しましたが、ビットコインの下落幅は相対的に小さかったのです。理由は、大部分の暗号通貨が依然として「リスク資産」と見なされている一方、ビットコインはリスク資産から徐々に「信用資産」へと変化しているからです。
信用資産の核心的役割は法定通貨の乱発に対するヘッジです。例えばゴールドは長期にわたり世界中で価値保存手段とされており、近年価格が逆調に上昇しています。米国株、米国債がともに下落する中、ゴールドとビットコインはしっかりとしたパフォーマンスを見せ、ビットコインが徐々に信用資産の特徴を備えつつあることを示しています。来年内には、ビットコインがリスク資産から信用資産への全面的転換を果たすと予想されます。
現在のビットコイン時価総額は2兆ドル未満ですが、ゴールドは20兆ドルを超えています。もしビットコインが最終的にゴールドと同じ時価総額に達すれば、5年か10年かは分かりませんが、投資家にとっては大きなチャンスです。
イーサリアム(ETH)については、依然として機能型トークンに属します。その価値はエコシステム内の実際のアプリケーションに依存しており、アプリケーションが大規模に爆発するとき、はじめて大幅な上昇余地が生まれます。ビットコインが「デジタルゴールド」となる可能性があるのに対し、ETHは信用資産にはなりえません。しかし機能型資産としては、将来性は依然として広がっています。
機能型資産の成長経路については、シリコンバレーの30年前の古典的著作『鴻溝を越える』を参考にすることができます。同書は、すべてのハイテク製品のユーザー成長経路は5段階に分けられると指摘しています。
技術オタク段階:技術オタクが製品を創造。中本聡、Vitalikを例に挙げれば、ビットコインとイーサリアムは彼らがゼロから創造したもの。
技術愛好家段階:初期ユーザーはすぐれた実用性を求めず、新技術への熱意だけで参加。例えば2015年、Vitalikが上海に来たとき、イーサリアムのメインネットはまだ立ち上がっていませんでしたが、万向ブロックチェーンは50万ドルを投資しました。
実用主義者段階:一般ユーザーが技術が真に価値を生み出し、現実問題を解決できるかを注目し始める。製品の生死を分ける「鴻溝」期であり、80%のプロジェクトがこの段階で失敗する。
後から気づく者段階:他人が恩恵を受けているのを見てから参加。ユーザーの大多数を占める。この段階のハードルは低いが、前提は「実用主義者の鴻溝」を越えていること。
拒否者段階:新技術を拒み続ける「伝統派」。安定とノスタルジーを好み、新事物を受け入れず、無理に変化させる必要はない。
第三、第四段階でユーザーを獲得し収益化できるプロジェクトは、持続可能な発展の基盤を持つことになります。その他、注目すべき2種類の資産があります。
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証券型トークン:RWA(リアルワールドアセットのトークン化)など。本質は証券投資ツールのデジタル化であり、証券規制に従う必要があります。規制を無視すれば、法的リスクに直面します。
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Memeコイン:トランプ氏が推進するMemeコインなど。エンタメ目的の投機家をターゲットとし、ラスベガスのカジノに似ています。主に「遊び」が目的ですが、実際に存在するユーザーと市場需要があり、独立した資産カテゴリーです。
まとめると、新世代の資産体系において、トークンは主に五種類に分けられます:準備型、機能型、信用型、証券型、娯楽型。自身のプロジェクトがどのカテゴリに属するかを明確にすることで、発展経路と規制要件をより正確に判断できます。
新世代金融市場システムの本質と方向性
金融の本質は、時間と空間の価値の跨期間不整合です。例えば、新興企業が拡大のために銀行から融資を受ける場合、銀行はその企業の将来2年間の成長ポテンシャルを基に貸し出しを行う。これは現在の資金を未来の価値に前払いする行為であり、典型的な時間価値の不整合です。このような価値移転をより効率的・低コストで実現できることが、「良い金融」の核心使命であり、他の表面的な行動は二次的なものです。
DeFi(非中央集権型金融)とCeFi(中央集権型金融)は対立するものではなく、組み合わせてリスク・リターン構造を最適化できます。新世代の資産取引市場は、グローバルかつ24時間365日稼働する特性を持ちます。パブリックチェーンで発行された資産は、天然的にグローバルアクセス可能であり、誰もがいつでもどこからでも取引に参加できます。
ナスダック、ニューヨーク証券取引所などの伝統的取引所も、取引時間を延長し始めています。もともとの週5日、1日5時間から、「5×23時間」に近づく全天候型取引システムへと進化しています。新技術はすでに「7×24時間」取引を可能にしており、すべてのタイムゾーンをカバーし、従来の「人間離れした」取引時間設定を打破できます。技術的に可能なら、変革を受け入れるのは自然な流れです。
AIとブロックチェーンは、新世代の富分配システムのインフラを共に構成しています。AGI時代において、ブロックチェーンに基づく新金融システムは、最適なグローバル富分配メカニズムとなるでしょう。
ブロックチェーンは金融インフラであるだけでなく、新たなビジネスガバナンスツールでもあります。チェーン上のデータはリアルタイム開示(各ブロックごとに1回)、改ざん不可、追跡可能、監査可能などの特性を持ち、企業は従来の半年報・年次報告制度に頼らずとも、効率的で透明性の高い情報開示が可能です。伝統的会計システムと比べ、ブロックチェーン型の情報開示はより効率的で信頼性が高いです。DAO(非中央集権型自律組織)などの新組織形態は、チェーン上の透明なデータに基づき、世界中の見知らぬ人々が協力して複雑なタスクを遂行できる新たなガバナンスモデルです。
AI時代は、世界中の見知らぬ人々が大規模に協力する時代です。従来の会社契約、銀行振込では、効率的な協力を支えきれません。チェーン上のプロトコル、スマートコントラクト、トークン報酬メカニズムが、新ビジネス活動のインフラとなります。
RWA:リアルワールドアセットのトークン化プロセス
RWA(Real World Assets、現実世界資産)の本質は、資産のトークン化プロセスであり、オンチェーン資産を標準化・分割化・証券化するものです。10年前、USDTやUSDCなどのステーブルコインはすでに法定通貨のトークン化を実現しており、RWAの出発点と見なせます。
発展段階から見ると、RWAは主に三期に分けられます。
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第一段階(2015年):USDTを代表とする法定通貨のトークン化。主権通貨自体が強力な信用保証を持つため、オラクルへの依存度は低く、保管銀行が領収書を発行すれば、市場は信頼できます。
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第二段階(2024年):BlackRockのBuildを代表例に、短期国債ファンドなどの金融資産のオンチェーン化。これらの資産は、認可金融機関、証券規制、保管銀行、法律事務所の監査などを通じて信用保証を提供します。
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第三段階(将来):実物資産のトークン化。この段階が最も難しく、核心的課題はオンチェーン資産の真実性検証と所有権証明であり、オラクルがキーボトルネックになります。
現在、主に三種類のオラクル方式があります。
1) Chainlinkなどの暗号ネイティブオラクル:すでに暗号市場の価格・データのオンチェーン化を実現。
2) DePIN(非中央集権型物理インフラネットワーク):将来の機械データのオンチェーン化の鍵となるオラクル。自律走行車、人型ロボットなどから生じる現実の物理データ。AIとハードウェアの発展とともに、その重要性は大きく高まります。
3) 金融機関オラクル:規制対象の金融機関が保管などを通じてオンチェーンデータの裏付けを提供。例えば、銀行が保管機関としてトークン数量変更命令を確認し、オンチェーン資産の信頼性を保証。
実物資産のオンチェーンマッピングは依然として巨大な課題に直面しており、現在、信頼できる信用保証メカニズムは成熟していませんが、将来のオラクルシステムの継続的発展がこの問題を解決する可能性があります。
RWA(リアルワールドアセット)を議論する際に、「すべてのものがRWAになれる」と考えるのは理想化しすぎです。RWAを実施するには、まず二つの核心問題を解決しなければなりません。
第一に、どうやってオンチェーン化するか。つまり、データが真実で、改ざん不可能かつ追跡可能であることをどう保証するか。通常はオラクルシステムに依存しますが、オラクル自体も信頼性と正確性の問題を抱えています。
第二に、コンプライアンス問題です。特定の金融商品はトークン化前に証券規制当局の承認を得る必要があります。例えば、マネーファンドをトークン化する場合、香港では証券監督管理委員会の承認を得た後に実施しなければなりません。
さらに、トークン化はトークン化のためだけにしてはいけません。一般投資家にとって、米ドルマネーファンドを購入して得られる収益と、そのトークン化版を買うのは本質的に違いがありません。むしろ、ウォレット管理、秘密鍵の安全確保などの操作が複雑になります。現実のマネーファンドはどこでも買えるので、全く障壁がありません。
したがって、RWAが成立するには、独自の用途と付加価値がなければなりません。そうでなければ、現実世界の資産証券化はすでに十分成熟しており、トークン化をもう一段階加える必要はありません。言い換えれば、トークン化は伝統的金融が満たせない問題を解決しなければなりません。
典型的なケースはDeFiとの結合です。現在、米ドルマネーファンドの年利は4.5%~4.9%です。これをトークン化した上で同じ収益を得つつ、DeFiの貸し出しによってさらに5%程度のリターンを得られれば、リスクを上げずに価値を高める方法になります。この収益は資金効率の向上によるもので、レバレッジによるものではないため、評価されるべき革新です。現在、我々は規制当局と協議していますが、承認は得られておらず、トークン化マネーファンドをDeFi貸し出しに正式に使うことはできません。
もう一つの黄金RWAの例を挙げます。黄金はETFやRWAに天然的に適していると思われがちですが、それは実行主体によります。金鉱山会社や精錬所が毎日金を生産していると主張し、それをトークン化したいとしても、それは不可能です。外部からは金の所有権、純度、安全性を検証できません。しかし、認可金融機関が発行する金ETFで、証券規制の承認を得ており、銀行が保管している場合は信頼性があります。例えば、香港の発行者が金をHSBCの金庫に保管し、HSBCが保管機関としている場合、この金ETFをRWAトークンに変換することは信頼できます。つまり、市場が信頼しているのは採掘業者ではなく、HSBC銀行なのです。
要するに、すべての資産が直接RWAに適しているわけではありません。通常はまずコンプライアンスを満たす金融商品に変換し、その後トークン化する必要があります。これは現段階で業界が直面する現実です。
AGI(汎用人工知能)とブロックチェーンの融合
AGI(汎用人工知能)とブロックチェーンの融合について話す前に、小さなエピソードを共有します。3週間前、香港で沈向陽氏と会いました。彼もAIと暗号は天然的に適合する分野だと感じており、両者の融合を探求しています。
過去1年、私は本当に価値のあるAI+Cryptoプロジェクトを探し続けてきました。単にチェーンを作り、トークンを発行し、AIのラベルを貼るだけではなく、現実の問題を解決し、真のエンジニアリングを行うプロジェクトです。例えば、分散型推論ネットワークは私たちが長期的に注力している分野です。200台、2,000台、さらには2万台のデバイスが共同でAI推論タスクを遂行できるシステムを構築したいと考えています。これはスローガンではなく、ハードウェアレベル、ネットワークレベルでの深いエンジニアリングです。現在、私たちのシステムは2か月以内にTGE(トークン生成イベント)を開始する予定です。
私たちはAIとブロックチェーンの深層的融合が必ず起きると信じており、実装能力を持つ起業プロジェクトを積極的に探しています。万物創造営S5の起業家の中にも同様の試みをしている人が多くいると知っています。ぜひ一緒に議論しましょう。
実は去年の2月、私はCSDNチームに接触し、開発者を動員して分散型で大規模モデルを運用することを求めました。このプロジェクトは1年以上進められており、皆が真剣に地道に取り組んでいるため、価値があると感じています。
私たちは沈向陽氏のチーム、香港科技大学、香港理工大学とも協力しています。例えば、彼らはすでにAIモデルをスマホ端末で実行可能なレベルまで圧縮しています。私たちは検討しています。モデルをプリインストールできない場合、スマホ販売チャネルと協力し、販売時にモデルをプリインストールし、ユーザーの承認を得てアクティベートできないかと。テスト結果では、90%のユーザーが自らアンインストールせず、むしろ保持したいと感じています。
このような非中央集権型エッジコンピューティングノードネットワークにより、将来、ユーザーは算力を共有することでトークン報酬を得ることができ、生態系全体を活性化できます。簡単なことではありませんが、だからこそチャンスがあるのです。真に価値のある革新は「誰もがやっている」ことではありません。
AGIに関して、OpenAIは5段階を提唱しています。会話者、推論者、エージェント、革新者、組織者。
現在、ChatGPTは第一段階を達成。推論者(DeepMindのAlphaシリーズやOpenAIのO1など)も徐々に形を成しつつあります。第三段階——エージェント(Agent)は現在進行中です。マスク氏の自律走行システム、人型ロボットなどがこの段階に属します。自律走行は2年以内に成熟し、工場での人型ロボットの応用も加速しています。家庭での全面的応用には、さらに5年かそれ以上かかるかもしれません。さらに複雑なのは革新者と組織者の段階です。革新者は0から1の創造を行い、組織者はその成果を標準化・体系化・規模化する必要があります。難易度はさらに高くなります。この5段階がすべて打通されれば、AGIは実現します。楽観的に見れば2027年に到来し、保守的に見ても
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