
YC AI創業キャンプ Day 2:ナダラ、アンドリュー・ウー、Cursor CEOも登場
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YC AI創業キャンプ Day 2:ナダラ、アンドリュー・ウー、Cursor CEOも登場
AIの最良の使い道は、反復サイクルの速度を高めることであり、「魔法」のようなワンクリック生成を目指すことではない。
編集:Founder Park
YC AI Startup School 2日目には、Satya Nadella(Microsoft CEO)、吳恩達(Deep Learning.AI 創設者)、Chelsea Finn(Physical Intelligence 共同創業者)、Michael Truell(Cursor CEO兼共同創業者)、Dylan Field(Figma CEO兼共同創業者)、Andrej Karpathy(元Tesla AI担当ディレクター)、Sriram Krishnan(ホワイトハウス人工知能上級政策顧問)の7名の著名なゲストが登壇しました。
AI技術やスタートアップに関するテーマを中心に、これらのリーダーたちは次のような示唆に富んだ見解を共有しました。
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AIを擬人化してはいけない。AIは人間ではない。それはあくまでツールである。次のフロンティアは、記憶、ツール、および行動能力をAIに与えることだが、これは人間の推論能力とは本質的に異なる。
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将来的には、「エージェント」が新しい世代のコンピュータとなる。この未来は技術的正確性だけでなく、ユーザーの信頼とシームレスなインタラクション体験にもかかっている。
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フィードバックループを含む製品(例:Agentic AI)は、「一回きり」のタスクしかこなせないツールよりもはるかに優れたパフォーマンスを発揮する。継続的なやり取りにより成果が最適化され、反復によって性能が複利的に向上する。
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現在、プロトタイプ構築のスピードは10倍になり、本番環境ソフトウェア開発の効率も30〜50%向上している。この優位性を活かし、リアルタイムのユーザーからのフィードバックを通じて市場リスクを低減すべきである。
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コードはもはや希少価値を持つコア資産ではなくなった。迅速なプロトタイピングツールとAIのおかげで、コードは簡単に生成できる。真に重要なのは、コードが生み出す価値そのものだ。
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現実世界のデータに代わるものはない。合成データやシミュレーションデータは有用だが、特に複雑な視覚的・物理的タスクにおいては、実際のデータが依然として極めて重要である。
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AIの最も良い使い道は「魔法のような一発生成」ではなく、イテレーション速度の向上にある。デザイナーやプロダクトマネージャーは今、AIの評価に積極的に貢献しなければならない。
Andrej Karpathy(彼の講演内容は昨日の記事『YC AI起業家学校初日、Andrej Karpathyのスピーチが話題に』をご参照ください)およびSriram Krishnanを除き、残る5人のゲストの主な発言をまとめました。
Microsoft CEO:Satya Nadella

1. プラットフォームの複利効果:AIは突然現れたものではなく、数十年にわたるクラウドインフラの進化の上に成り立っている。大規模モデルの学習を支える基盤が整ったことで、各世代のプラットフォームが次の世代を準備している。
2. モデルはインフラ、製品はエコシステム:基礎モデルは新たなSQLデータベースのようなインフラストラクチャである。真の製品とはモデルそのものではなく、フィードバックループ、ツール統合、ユーザーエクスペリエンスなどからなるエコシステムである。
3. 経済的影響が指標:SatyaがAIの価値を測る指標は、「経済的余剰を生み出しているか?」という一点に集約される。GDP成長を促進できない技術革新は、真の変革とは言えない。
4. 計算資源と知能の境界線:知能レベルは計算資源の投入に対して対数的に増加する。しかし将来の大きな飛躍は規模拡大だけではなく、次の「スケールの法則的瞬間」のようなパラダイムシフトから生まれる。
5. エネルギーと社会的承認:AIの大規模展開にはより多くのエネルギーが必要となり、同時に社会的許可を得なければならない。そのコストに見合う、明確な社会的利益を示すことで、初めてその許可が得られる。
6. AIの真のボトルネックは変革管理:伝統的業界における障壁は技術ではなく、既存のワークフローへの拘束にある。単にAIを導入するのではなく、業務の在り方自体を再考することが必要だ。
7. 業務職種の融合:LinkedInなどのプラットフォームでは、デザイン、フロントエンド、プロダクトといった従来の役割が融合し、「フルスタック型人材」が登場している。AIは人々に跨学科的能力を与えることで、この流れを加速している。
8. 反復作業の価値を過小評価しない:知識労働には大量の反復的かつ肉体的な作業が含まれている。AIの最も適した用途は、こうした「見えない摩擦コスト」を排除し、人間の創造力を解放することである。
9. 未来に対してオープンでいること:自身ですら「テスト時計算」や「強化学習」の進展の速さを予測できなかった。AIの最終形態をすでに見たと思い込むべきではなく、さらなるブレイクスルーが起こる可能性を常に意識すべきだ。
10. AIを擬人化しないこと:AIは人間ではない。それはツールである。次のフロンティアは、記憶、ツール、行動能力を与えることだが、これは人間の推論とは本質的に異なる。
11. 開発の未来:AIは開発者を代替するのではなく、彼らの強力なパートナーになる。VSCodeはAIとの協働のためのキャンバスである。ソフトウェアエンジニアリングの中心は、コード執筆からシステム設計と品質保証へ移行する。
12. 責任と信頼は不可欠:AIの出現は人間の責任を免除するものではない。企業は引き続き、自社製品の行動に対して法的責任を負う。そのため、プライバシー、セキュリティ、主権の確保が最重要課題となる。
13. 信頼は実用価値から生まれる:信頼は華やかな言葉ではなく、実用性から生まれる。インドの農民向けに導入されたチャットボットが、目に見える支援を提供できたことが、信頼構築の鍵となった。
14. 音声からエージェントへ:MicrosoftのAIの旅は1995年の音声技術から始まった。現在の戦略的重点は、音声、視覚、そして至る所にある環境コンピューティングデバイスを統合した、機能完全な「エージェント」へと移っている。
15. エージェントこそが未来のコンピュータ:Satyaの長期ビジョンは、「エージェントが次世代のコンピュータとなる」こと。この未来は技術的精度だけでなく、ユーザーの信頼とシームレスなインタラクションにかかっている。
16. リーダーシップへの示唆:最も基層のポジションから始めよ、だが最も壮大な志を持て。製品を作るだけでなく、チームを作ることを学ぶ必要がある。
17. Satyaが求める人物像:複雑なものをシンプルにし、明確な方向性を示せる人。チームに活力を与え、結束を高められる人。厳しい制約下でも複雑な問題を解決することを楽しむ人。
18. 最も好む面接質問:「どうやって解決すればいいかわからなかった問題について教えてください。そしてどのようにそれを乗り越えたのか。」彼はそこから候補者の好奇心、適応力、忍耐力を読み取ろうとする。
19. 量子コンピューティングの可能性:次の破壊的技術は量子分野から生まれるかもしれない。Microsoftは「誤り訂正量子ビット」の研究に注力しており、これにより自然界を前例のない精度でシミュレートできるようになるだろう。
20. 若者への助言:誰かの許可を待つ必要はない。人々に真に力を与えるツールを作り出せ。彼は常に自問する。「他人が創造できるように、我々は何を生み出せるか?」
21. 最も好きな製品:VSCodeとExcel――なぜならこれらは人々に超能力を与えるから。
Deep Learning.AI 創設者:吳恩達

1. 実行スピードが成功を決める:スタートアップの成功を測る最良の指標は、構築・テスト・反復のスピードである。スピードは学習の複利効果を生み出し、AIはこれを指数関数的に加速する。
2. 多くの機会はアプリケーション層にある:現在最大の収益は新モデルの構築ではなく、既存モデルを価値あるユーザー指向のシーンに適用することから生まれている。これが起業家が注力すべき領域だ。
3. Agentic AIは「一回きり」のツールより優れる:フィードバックループを含む製品(例:Agentic AI)は、一度限りのタスク処理ツールよりはるかに優れた結果を出す。継続的なやり取りが成果を最適化し、反復が性能を複利的に高める。
4. 「オーケストレーション層」が台頭中:基礎モデルとアプリケーションの間に、新たに中間層が形成されている――エージェント型オーケストレーション。これは複数のツールやデータソースにまたがる複雑な多段階タスクを可能にする。
5. アイデアが具体的であればあるほど、実行は迅速になる:素早く行動する最良の方法は、非常に具体的なアイデアから始めること。詳細が十分に詰まっていれば、エンジニアはすぐに開発を開始できる。良い具体的アイデアは、通常、特定分野の専門家の直感から生まれる。
6. 「壮大な物語」の罠に注意:「AIで医療を変革する」といった抽象的な目標は雄大に聞こえるが、実行が遅れがちになる。真に効率を上げるのは、「MRI予約の自動化」のような微細で具体的なツールである。
7. 方向転換は勇気だが、最初の一歩が肝心:初期のデータがアイデアの失敗を示せば、具体的な初期案があればより容易に方向転換できる。何をテストしているのか明確に理解していれば、失敗後に別の方向へ迅速に移行できる。
8. フィードバックループでリスク回避:プロトタイプ構築のスピードは10倍になり、本番環境ソフトウェア開発の効率も30〜50%向上している。この優位性を活かし、リアルタイムのユーザーからのフィードバックで市場リスクを低減すべきだ。
9. 完璧を求めず、試行を重ねよ:最初のバージョンを完璧にしようとしない。20個の粗いプロトタイプを作り、どれが生き残るかを見極めよ。磨き上げるよりも、学ぶスピードが重要である。
10. 素早く行動し、責任を持て:シリコンバレーの古典的格言「素早く行動し、ルールを壊せ」を刷新する――「素早く行動し、責任を持て」。責任感こそが信頼を築く基盤である。
11. コードの希少価値は消失しつつある:コードはもはや過去のように希少なコア資産ではない。迅速なプロトタイピングツールとAIにより、コードは簡単に生産できる。真に重要なのは、コードが実現する価値である。
12. 技術アーキテクチャは可逆的になった:かつてアーキテクチャの選択は一方通行だったが、今やそれは双方向の扉である。変更コストが大幅に低下したことで、大胆な挑戦と迅速な実験が奨励される。
13. 誰もがプログラミングを学ぶべき:「プログラミングを学ぶな」という主張は誤りだ。かつてアセンブリ言語から高級言語への移行時も似たような懸念があった。AIによりプログラミングの敷居は下がっており、今後ますます多くの職種がプログラミングを身につけるべきである。
14. 専門知識がAIを強くする:特定分野への深い理解は、AIの活用をより良くする。美術史家のほうが画像生成のプロンプトをうまく書ける。医師のほうがヘルスAIをより良く設計できる。起業家は専門知識とAIリテラシーを組み合わせるべきだ。
15. プロダクトマネージャーが新たなボトルネック:今や制約要因はエンジニアリングではなく、プロダクトマネジメントである。あるチームでは、フィードバックと意思決定のスピードを高めるため、プロダクトマネージャーとエンジニアの比率を2:1に調整する提案さえ出ている。
16. エンジニアにプロダクト思考が必要:プロダクトの直感を持つエンジニアはより迅速に行動し、より良い製品を開発できる。技術力だけでは不十分であり、ユーザーのニーズを深く理解する必要がある。
17. 最短でフィードバックを得る:吳恩達が推奨するフィードバック取得のスピード順(速い順):内部Dogfood(自社利用)→友人に意見を聞く→見知らぬ人に尋ねる→数千人のユーザーに小規模リリース→グローバルA/Bテスト。起業家はこの順路をできるだけ早く上昇すべきだ。
18. 深いAI知識は依然として差別化要因:AIリテラシーはまだ普及していない。AI技術の原理を真正に理解している者は依然として大きな優位性を持つ――より賢く、効率的かつ自律的にイノベーションできるからだ。
19. ハイプ ≠ 真実:資金調達やステータス向上のために使われる、印象的だが空虚な物語に警戒せよ。AGI、滅亡、無限の知能といった用語は、しばしばハイプの兆候であり、影響力の証ではない。
20. 安全性は使用方法による:「AIの安全性」という概念はよく誤解される。AIは電気や火と同じで、善悪はそれ自体ではなく、使い方にかかっている。安全とは使い方の問題であり、ツール自体の問題ではない。
21. 唯一重要なのはユーザーが愛用するかどうか:モデルコストやベンチマーク性能にこだわる必要はない。唯一気にすべきことは、「本当にユーザーが愛し、継続的に使う製品を作れているか?」という一点に尽きる。
22. 教育AIはまだ探索段階:Kira Learningなどの企業が多数の実験を行っているが、AIが教育分野で最終的にどのような形態になるかはまだ不明。私たちはまだ変革の初期段階にある。
23. 「終末論」と「規制俘獲」に警戒せよ:AIへの過度な恐怖は、既存企業を守るための規制正当化に利用されている。権力を持つ者に有利な「AI安全性」の物語には疑いの目を向けるべきである。
Physical Intelligence 共同創業者:Chelsea Finn

1. ロボット技術にはフルスタック思考が必要:既存の企業にロボット技術を後付けするのは不可能。データ、モデル、デプロイまで、すべてゼロから構築する必要がある。
2. データの質は量より重要:業界、YouTube、またはシミュレーション環境からの大量データセットは、往々にして多様性や現実性に欠ける。規模よりも、正しい高品質なデータが重要である。
3. 最適なアプローチ:事前学習+ファインチューニング:広範なデータセットで事前学習を行い、その後約1000件の高品質で状況に一致するサンプルでファインチューニングを行うことで、ロボットのパフォーマンスを著しく向上できる。
4. 汎用型ロボットが専用型を超える:特定の目的のために構築されたシステムよりも、さまざまなタスクやハードウェアプラットフォーム(他社製ロボットなど)を横断できる汎用モデルの方が成功している。
5. 現実世界のデータに代わるものはない:合成データやシミュレーションデータは助けになるが、特に複雑な視覚的・物理的タスクにおいては、実際のデータが依然として極めて重要である。
6. 資源が豊富すぎると逆効果になることも:過剰な資金提供や過度な複雑化は進捗を妨げる。問題の明確さと集中した実行が最も重要である。
Cursor CEO兼共同創業者:Michael Truell

1. 早期から始め、継続して構築し続けること:共同創業者が途中で離脱しても、Michaelはプログラミングを続けた。初期のバズ(Flappy Birdの模倣作品)が自信とスキルの構築に役立った。
2. 不慣れな分野でも迅速に検証:彼らのチームは、機械工学分野のプログラミングアシスタントを経験なしで構築した。「実践の中で学ぶ」ことが彼らの信条だった。
3. 差別化されたポジショニングで大手を恐れない:当初GitHub Copilotとの競合を躊躇したが、後に「フルプロセス開発の自動化」を目指す企業はほとんどいないことに気づいた。このポジショニングが市場開拓の突破口となった。
4. コードからリリースまで迅速に行動:最初の1行のコードから公開リリースまで、わずか3ヶ月しかかからなかった。迅速な反復により、製品の方向性を早期に調整できた。
5. 複雑さより集中が勝る:IDE(統合開発環境)とAIツールの同時開発計画を毅然と放棄。AI機能そのものに集中することで、より速く成長できた。
6. 流通は1つのツイートから始まる:Cursorの初期ユーザー増加は、共同創業者がSNSに投稿した1つのツイートから始まった。正式なマーケティング以前に、口コミが主要な成長原動力となっていた。
7. 実行力の複利効果:2024年、Cursorの年間经常性収益(ARR)は、1年間で100万ドルから1億ドルへと成長し、製品改善とユーザー需要の推進により、週10%の複利成長を達成した。
8. 最高の助言:好奇心に従え:履歴書を飾るためにすることを忘れて、自分が興味のあることを、賢い人たちと一緒にやるのが一番だとMichaelは述べた。
Figma CEO兼共同創業者:Dylan Field

1. 自分を鼓舞してくれる共同創業者を見つけよ:Dylanのモチベーションは、共同創業者Evan Wallaceとの協働にある。「毎週、未来を創造しているような感覚だ。」
2. 早期に始め、実践しながら学べ:Dylanは大学在学中の19歳で起業プロジェクトを始めた。初期の「ミームジェネレーター」などのプロジェクトの失敗が、後にFigmaという偉大なアイデアを育てる礎となった。
3. 迅速にリリースし、より速くフィードバックを得る:早期ユーザーにメールで連絡を取り、迅速に反復し、初めから有料化を貫いた。フィードバックは製品進化の持続的原動力である。
4. 長期ロードマップを短期スプリントに分解:壮大なビジョンを小さな部分に分割することは、スピードと実行力を確保する鍵である。
5. 製品市場適合には数年かかることもある:Figmaは5年を経て、決定的なシグナルを得た――Microsoftが、「Figmaが有料化しないなら、協業を中止せざるを得ない」と警告してきたのだ。
6. デザインが新たな差別化要因:AIの台頭により、デザインの重要性はますます高まっている。FigmaもDraw、Buzz、Sites、Makeといった新製品群のリリースで、このトレンドに対応している。
7. AIでプロトタイピングを加速:AIの最も良い使い道は「魔法のような一発生成」ではなく、イテレーション速度の向上にある。デザイナーやプロダクトマネージャーは今、AIの評価に貢献しなければならない。
8. 断られることを受け入れよ、避けずに向き合え:子供時代のパフォーマンス経験により、Dylanは批評やフィードバックを素直に受け入れる術を学んだ。断られることは、成功への道の一部であると考えている。
9. 人間関係こそが核:AIに人間関係を置き換えさせないこと。人生の意味を問われたとき、彼は答えた。「意識を探求し、学び続け、愛を分かち合うこと。」
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