
ゲイリー・ジェンスラー:ゴールドマン・サックスからSEC議長へ、暗号資産の敵か、それとも味方か?
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ゲイリー・ジェンスラー:ゴールドマン・サックスからSEC議長へ、暗号資産の敵か、それとも味方か?
ゲーリー・ジェンスラーの真の使命は、イーサリアム(ETH)を潰すことなのか、それとも暗号資産およびブロックチェーンに基づく金融サービスを主流にすることの基盤を築くことなのか?
著者 | Finn Miller, Nazar Kuzmyn and Ciaran Lawler
翻訳 | 火火
米国証券取引委員会(SEC)の議長であるゲイリー・ジェンスラーは、暗号業界に対して個人的な敵意を持っているように見える。デジタル資産のステーキングからリップル(XRP)訴訟に至るまで、ジェンスラー氏は暗号企業に対し規制上の圧力をかけ続けている。
多くのブロックチェーン愛好家は彼を証券法の悪役的執行官だと見なしている。しかし、適切に進めば、この動きは暗号資産の規制を明確化し、デジタル資産の長期的な広範な採用を促進する可能性がある。
では、ゲイリー・ジェンスラーの真の使命とはイーサリアム(ETH)を潰すことだろうか。それとも、暗号およびブロックチェーン技術に基づく金融サービスが主流になる土台を築くことなのだろうか。
ゲイリー・ジェンスラーとは誰か?
ゲイリー・ジェンスラーは、バイデン政権下における米国証券取引委員会(SEC)の議長である。彼が暗号世界で最も有名になった出来事といえば、デジタル決済プロトコル「リップル」に対するSECの訴訟を主導したこと、暗号取引所のステーキングサービスへの強力な取り締まり、そしてすべてのトークンを証券と見なそうとする試みである。もちろんこれらすべては、消費者保護という崇高な名目のもとに行われている。

教育背景
ジェンスラー氏はマリランド州ボルチモアで生まれ育った。父サム・ジェンスラーの影響で幼少期から金融に関わる経験を積んだ。父は地元のバーでタバコやパチンコマシンを運営しており、ジェンスラー氏も一緒に5セント硬貨の収益を集計する作業をしていた。
高校卒業後、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに進学し、経済学の学士号を取得した。野心的な若きジェンスラーにとってこれだけでは不十分だったようで、さらに進学し、ウォートン・スクールにて経営学修士(MBA)を取得した。MBA取得後、ジェンスラーは意気揚々と金融業界でのキャリアをスタートさせた。
キャリア
1979年、ジェンスラーは世界的に名高い投資銀行ゴールドマン・サックスに入社した。1980年代を通して、彼は同社のM&A部門で勤務し、主にメディア企業へのアドバイザリー業務に従事。自らチームを率いて、当時史上最高額となる約36億ドル規模のNFLテレビ放映権契約の成立にも貢献した。
30歳になる頃には、ジェンスラーはゴールドマン・サックスのパートナーの中でも最年少の銀行家の一人となり、後に同社の財務担当共同責任者にも就任した。
公的職務としてのジェンスラー
ゴールドマン・サックスで18年間勤めた後、ビル・クリントン大統領により、ジェンスラーは米国財務省補佐官に指名された。すぐに米国上院の承認を得て、政府および公共サービス分野でのキャリアを開始した。
2年後、ジェンスラーは部署を移動し、国内金融次官に就任した。このポストにより、ジェンスラーは資本市場、公的債務管理、財政政策といった重要な分野での政策および立法の策定を担うこととなった。
これらの職務における功績と貢献が評価され、ジェンスラーは米国財務省の最高栄誉であるアレクサンダー・ハミルトン賞を受章した。2001年、ジェンスラーは米国上院議員ポール・サバンズの上級顧問となり、サバンズ=オクスリー法の制定において中心的な役割を果たしたことで称賛を受けた。
オバマ政権時代には、商品先物取引委員会(CFTC)議長として宣誓就任した。この時期、彼はグローバル金融危機後の最も偉大な改革者の一人として、同僚たちからの尊敬と称賛をさらにつかみ取った。
米国証券取引委員会(SEC)
トランプ政権の共和党政府の任期終了後、バイデン大統領によりジェンスラーは米国証券取引委員会(SEC)議長に指名された。こうしてジェンスラーは、ニューヨーク本部にあるSECにおいて、暗号資産に対する規制活動を主導することになった。(SECは5人の委員から構成され、各委員は大統領の指名と上院の承認を経て任命され、その後大統領がその中の1人を議長に指定する。)
同時に、ジェンスラーはデジタル通貨の専門家でもある。2018年以降、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院で、ブロックチェーン技術および暗号資産に関する講義を担当している。
ジェンスラーと暗号市場
SEC議長就任以来、ジェンスラーは暗号規制に対して包括的な戦いを展開している。特に注目されるのは、長期間にわたって継続中のリップル社に対するSEC訴訟であり、これは米国の暗号規制の将来に大きな影響を与える可能性がある。
また、Krakenなどの暗号取引所に対しては、ステーキングサービスの提供を理由に数百万ドルもの罰金を科している。この一連の動きは、暗号業界全体に恐怖(Fear)、不確実性(Uncertainty)、疑念(Doubt)——いわゆるFUD——の波を引き起こしており、Coinbaseなど他の主要取引所およびその創業者たちも懸念を示している。
ジェンスラー氏の主張によれば、ビットコイン(BTC)を除くすべての暗号資産は「証券」である。彼は「ハウイ・テスト」と呼ばれる基準を用いてこれを主張しており、各暗号トークンの背後には事業を運営する起業家チームが存在し、投資家はその利益を期待していると説明する。

この考え方はNFTの領域にも及ぶ。NFTは単なるコレクションアイテムと見なされやすく、投資手段ではない場合が多いが、それでもなおグレーゾーンは残っている。
ジェンスラーの意見は本当にそれほど重要なのか?
確かに、ジェンスラーがSEC議長としての立場から米国の暗号規制に大きな影響を与えていることは事実だが、ジェンスラー自身が法律の代弁者というわけではない。彼は暗号規制に関する法律を制定できる立場になく、その適用方法を独断で決定することもできない。
米国においては、こうした重要な決定は最終的に裁判所および連邦裁判官によって下される。
ジェンスラーとSBF
無視できないのは、SBFがまだ暗号業界の寵児とされていた時期に、ジェンスラーとSBFが密接な協力関係にあったという点である。暗号取引所FTXが最終的に破綻する前、ジェンスラーとSBFは非公開で面会していた。
当時SBFはジェンスラーと接触し、FTXを取り巻く規制上の防衛線を構築しようとしていたと考えられている。また、SBFによる政治献金と公務員との関係をめぐる陰謀論が存在するが、それが実際に裏付けられたわけではなく、未確認の段階である。
多くの暗号投資家は、ジェンスラーはSBFのような告発された犯罪者を裁くよりも、リップルの幹部ブラッド・ガーリングハウスのような人物を追うことに明らかに強い関心を示している。
一方で、ジェンスラーは暗号業界内では否定的な報道や知名度を持っているものの、金融および政府分野では名声高く、成功したキャリアを築いてきた。ブルームバーグによると、ジェンスラーの推定純資産は1億1900万ドルに達するという。
彼に課せられた使命は、暗号資産に対してより厳しい規制を施行することかもしれない。しかし、もし読者が米国外に住んでいるのであれば、彼の行動から直接的な影響を受けることはないだろう。
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