
「1万円のコンサルティング」からクァークの無料AIまで――大学入試志望届けにおける「情報格差是正」の戦い
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「1万円のコンサルティング」からクァークの無料AIまで――大学入試志望届けにおける「情報格差是正」の戦い
10億人のユーザーがそれぞれ異なるニーズを持つという最上位レベルの要求に直面してこそ、大規模モデルが最も活躍できる場なのである。
著者:張勇毅

6月10日、2025年の大学入試の最終科目が終了した。しかし、全国の何千万もの受験生とその家族にとって、これから始まる志望校・学部の選択は、まさに「もう一つの大学入試」とも言える。
3,000校以上の大学が提供する入試情報と、将来への期待を前に、受験生や保護者の現実的な判断はますます具体的になっていく。市場では、Z世代後半(05年以降生まれ)の個別ニーズに対応するため、さまざまなタイプの志願申告支援製品やサービスが次々と登場している。
張雪峰氏のような有名人による数万円にもなるプランニングサービスから、SNS上で数千円で販売される「簡易版」指導、さらに数百円の「AIソフトウェア」に至るまで、大学入試志願の商業化ブームはピークを迎えつつある。
多くのAI製品は、データと大規模言語モデルの力を活かして、受験生の前に立ちはだかる情報格差の壁を取り除き始めている。大規模モデルが志願申告の場面に登場したことで、より多くの受験生と保護者が情報の平等アクセスを実現できるようになったのだ。
過去7年間にわたり一貫して大学入試情報サービスに注力してきたQuark(クアーク)は、今年も再び受験生の背後に立っている。業界初の「大学入試志願向け大規模モデル」と「大学入試知識ベース」を発表しただけでなく、「志願レポート」「大学入試ディープサーチ(深度検索)」など、AIを核とする新機能も続々と投入している。
Quarkの目標は明確だ。製品の革新とAI技術を通じて、志願申告に関するあらゆる開放型質問に的確に答え、すべての受験生に専門的な志願レポートを提供し、人生の重要な意思決定を支援することである。
01 いかにして「個別最適化」された志願レポートをつくるのか?
張雪峰氏のような人間による志願相談サービスでは、まず大量のデータと独自情報を掌握し、自分だけの競争優位性(モート)を築くことが求められる。その後、一対一の質疑を通じて受験生の個人情報、趣味、家庭状況などを深く理解し、分析・判断を行ったうえで、「志願レポート」という形で最終成果物を受験生に提供する。
このように情報密度が極めて高く、意思決定プロセスが非常に長い複雑なシナリオにおいて、AIが生成する「志願レポート」はどうなるだろうか?
Quarkが「志願レポート」機能をリリースした後、筆者は実際にその機能を体験してみた。例として、北京在住で得点630点、理科系(物理・化学・生物)選択の受験生を想定し、法学を好み弁護士を目指しているという設定を用いた。まず個人情報と興味関心を入力し、12の設問に答えて個人プロファイルを作成する。
確認をクリックすると、Quarkはレポート作成を開始する。所要時間は約5~10分、ページ数は15~20ページ程度になる。
このプロセスにおいて、Quarkは大学入試志願大規模モデルを基盤とし、エージェント方式で呼び出しを行い、受験生一人ひとりに合わせた個別の進路提案を行う。最終的には「専攻重視」「大学重視」「地域重視」とそれぞれ重点を置いた3種類の専門レポートが出力され、内容には戦略設計、大学・学部の詳細リスト、志願票の解説などが含まれる。ユーザーはこれを直接志願票に追加したり、PDFとして出力することも可能だ。

結果として出力されたレポートは、私が法学を好むことを見抜き、985・211工程重点大学や特色ある学科を踏まえて段階的な計画を立てている。
また、都市、授業料、専門分野の就職状況といった要素も分析し、推奨される大学や学部の中に組み込むことで、単なる大学・学部情報ではなく、受験生がすべての情報をより明確に把握できるようになっている。
統計によると、毎年わずか2%の受験生しか対面相談を利用していない。つまり残り98%の受験生にとって、Quarkの存在は地理的・経済的な制約を大きく緩和し、志願申告における情報格差を小さくしているのである。
さらに、「大学入試ディープサーチ」機能により、オープンエンドかつ非常に口語的な表現であっても、Quarkは現実に即した参考提案を提示できる。
例えば筆者は、「山東省出身の理系男子、647点、985大学への進学希望、中外合作办学(中外共同運営コース)も可、将来的には大学院進学または海外留学を考えている。志願申告のアドバイスをください」という自然な文章をプロンプトとして使用し、ディープサーチ機能を体験した。
このプロンプトに対し、Quarkはまず受験生の核心的要望――得点、選択科目、興味、地域の好み――を解析し、膨大な大学入試知識ベース内で多次元的な照合と推論を行う。この知識ベースには、過去の大学合格データ、学部情報、就職率、進学率などの構造化データだけでなく、産業のトレンドや専門分野と職業の関連性に関する非構造化知識も多数含まれている。



02 「専門家の頭脳」はいかにして鍛えられたか
こうしたフロントエンドでの優れたユーザーエクスペリエンスを実現するために、Quarkは今年、AIモデル能力の拡張にさらに投資を進め、計算資源(コンピューティングパワー)の投入を前年比で100倍に増強した。
通義千問(Tongyi Qianwen)をベースとしているものの、Quarkの大学入試志願大規模モデルは、汎用モデルを単純にファインチューニングしたものではない。実際の大学入試志願専門家が価値判断を行い、戦略的に導く仕組みを組み込むことで、「本当に専門家のように考え、アドバイスを出す」ことを実現している。
この目標を達成するため、QuarkはまずAIに「専門家的な思考プロセス(チェーン・オブ・ソートキング)」の模倣を学ばせる必要があった。指令のファインチューニング段階では、研究開発チームが何百人ものベテラン大学入試志願プランナーと受験生・保護者との複数回にわたる実際の対話を構造化処理し、完全な分析手順とコミュニケーションスタイルを抽出した。こうした数万件の高品質な「推論チェーン」を持つ監督付きデータは、大規模モデルが人間の専門家と同じように分析を行うための「教科書」となっている。

ここにQuarkの核心的強みがある。「Quarkのデータは公式の教育試験院が公表する権威ある資料に基づいており、業界で広く知られる『分厚い本』のような信頼性を持っている」と、QuarkのAI志願モデル開発に携わった任先生は強調する。これは、ネット上から収集された未確認の古いデータに依存する多くの大規模モデルとは対照的であり、「500点の受験生に985大学を推薦する」といった不条理なAIの幻覚(ハルシネーション)を根本的に防ぎ、推薦結果の正確性と信頼性を確保している。
03 時代の鼓動
「AI大学入試志願大規模モデルはどのようにして完成したのか」という問いを通して、特定の応用シーンに根ざした大規模モデルが正確な結果を生み出すには、必ずしも人間の専門家の助けが不可欠であることに気づくだろう。
毎年の大学入試シーズンになると、張雪峰氏のような専門的な指導者が目立つが、一方で、不安を抱える学生や保護者を前に、質の保証が難しい「志願申告コーチ」が今なお多く存在している。
こうしたサービスが毎年広く利用され続ける理由は、志願申告が「学校と学部を選ぶ」という枠を超え、家族全体が巻き込まれる「人生最初のキャリアプランニング」と化しているからだ。言い換えれば、毎年何千万人もの受験生が共有する「時代の鼓動」とさえ言える。
だが、張雪峰氏が代表するのは、ごく一部の富裕層だけが手にできる高価な解決策にすぎない。彼一人の精力には限りがあり、そのサービスは必然的に少数派の「高級品」になってしまう。その背後には、もっと巨大で質のばらつきが激しい市場が広がっており、無数の「専門家」を名乗る機関や個人が、質の保証されていないサービスで、同じように不安を感じながらもトップレベルのリソースに届かない一般家庭を収奪している。
張雪峰氏の核心的強みが個人の経験と情報蓄積にあるとするならば、Quarkの戦略は、数百人のベテランプランナーの意思決定ロジックと経験を「内面化」し、国内最大かつリアルタイムで更新される大学入試知識ベースと組み合わせることで、これまで個人に依存し、高価で非標準的だった「専門家サービス」を、誰でも無料で利用可能な標準化された高品質な「AIコンサルタント」へと変換しようとしている。
ある人々は、Quarkが今回リリースしたAI志願申告ツールは「既存のテーブルをひっくり返す」ものだと評するが、それは正確ではない。Quarkがやっているのはテーブルをひっくり返すことではなく、もっと大きなテーブルに取り替えて、より多くの人が座れるようにすることだ。この新しいテーブルには予約も不要、相談料もかからない。スマホを開き、プロファイルを入力すれば、論理的でデータに基づいた本物の志願レポートが手に入る。
このテーブルの上では、涼山の受験生も杭州の受験生も、同じレポート構造、同じ専門軸、同じ推薦ロジックを見る。AIによって、彼らの出発点は少し近づけられた。大学入試は運命を変えるチャンスである。そして技術の意味とは、「チャンス」をより公平なものにすることだ。そうしたチャンスは、決してVIPゴールドカードを持つ者のみのテーブルの上に置かれるべきではない。
Quarkは6月12日の発表会で初めて公開したユーザーデータが、この事実を最もよく物語っている――同社の大学入試サービスは累計で1.2億人のユーザーを支援しており、うち三線都市以下に住むユーザーの割合が50%を超える。
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