
アカウント抽象の強化とLayer2の最適化:イーサリアムの第3次メジャーアップグレードが目前に
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アカウント抽象の強化とLayer2の最適化:イーサリアムの第3次メジャーアップグレードが目前に
今回の技術アップグレードにおける主要な提案は、アカウント抽象の強化、バリデーター操作の最適化を通じて、イーサリアムネットワークのパフォーマンスをさらに向上させることにある。
執筆:imToken
イーサリアムのPectraアップグレードは、2025年第1四半期に実施予定です。これは、2022年9月のイーサリアム・マージ、2024年3月のキャンクンアップグレードに続く、イーサリアムの3回目の大きなアップグレードとなります。
2025年1月9日に開催されたイーサリアムコア開発者会議(All Core Devs)にて、エグゼキューション層の技術プロトコルサポート担当であるTim Beiko氏は、1月13日週にPectraアップグレードに関連する第5期開発ネットワーク(Devnet 5)を開始し、2025年2月にテストネットSepoliaおよびHoleskyをアップグレード、同年3月にメインネットでアクティベートすることを提案しました。
Pectraアップグレードについて
Pectraアップグレードは2つの主要な構成要素からなります。すなわち、「Prague」によるエグゼキューション層のアップグレードと、「Electra」によるコンセンサス層のアップグレードです。今回の技術アップグレードの鍵となるのは、アカウント抽象の強化、バリデータ操作の最適化、そしてイーサリアムネットワークパフォーマンスの継続的な向上です。また、Layer2の最適化に関する技術プロトコルも含まれており、これがPectraアップグレードの注目ポイントとなっています。
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コンセンサス層アップグレードに関連する技術プロトコル:
EIP-6110、EIP-7002、EIP-7251、EIP-7549、EIP-7691
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エグゼキューション層アップグレードに関連する技術プロトコル:
EIP-7685、EIP-7623、EIP-7702、EIP-2537、EIP-2935
Pectraアップグレードがイーサリアムをどう改善するか
EIP-7600「Pectraハードフォークプロセスの実装」に基づき、現在Pectraアップグレードに採用されているイーサリアム改善提案(EIP)は以下の通りです。
EIP-6110:コンセンサス層におけるプロトコル内デポジット処理メカニズム
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バリデータがETHを預ける際に、従来のようにコンセンサス層の投票メカニズムによる検証に依存しなくてよくなります。これにより、バリデータ操作の安全性が向上します。たとえ敵対的ステークが3分の2以上存在しても、正直なノードが対応可能です。また、この仕組みによりクライアントソフトウェアの設計が簡素化され、操作遅延も削減されます。
EIP-7002:エグゼキューション層からの引き出し(Withdrawal)トリガー
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バリデータがエグゼキューション層を通じて、資格情報を使って退出や引き出しを実行できるようにします。
EIP-7251:MAX_EFFECTIVE_BALANCEの増加
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イーサリアムへのステーキング量を32ETH以上に拡大可能にします。ただし、最低ステーキング要件は変わらず32ETHです。この改善により、大規模ノード運営者は複数のバリデータを統合してネットワーク上のバリデータ総数を削減でき、ピアツーピアメッセージ、署名集約、ストレージ負荷の低減につながります。
EIP-7549:委員会インデックス(Committee Index)を証明外へ移動
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より効率的なコンセンサス投票の集約を実現し、バリデーションコストとネットワークロードを削減することを目的としています。
EIP-7691:Blob数の増加
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各ブロックのBlob数を最大6~9個まで増やすことで、イーサリアムがLayer2ソリューションを通じてスケーラビリティを高める支援をします。
EIP-7685:汎用エグゼキューション層リクエスト
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この提案では、スマートコントラクトによってトリガーされるリクエストを保存するための汎用フレームワークを定義しています。これにより、新しいリクエストタイプの追加が容易になり、エグゼキューションブロックの構造変更が不要となり、最終的にユーザーにとってより安全なシステムが実現されます。
EIP-7623:calldataのコスト増加
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EIP-1559導入以降、イーサリアムブロックのGas上限は増えていませんが、メインチェーンに送信されるデータ量は増加の一途をたどっており、ブロック平均サイズも拡大しています。EIP-2028導入以来、calldataのコストは変更されていませんでしたが、EIP-4844でBlobが導入されたことを受け、calldataのコストを見直し、最大ブロックデータサイズを抑制することで、スループット向上に寄与するBlobなどのためにデータ領域を確保する必要があります。
EIP-7702:EOAアカウントコードの設定
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新しいトランザクスタイプ(tx)を追加し、EOAアカウントにコード実行機能を持たせることで、アカウントの柔軟性とプログラマビリティを高めます。
EIP-2537:BLS12-381曲線演算のプリコンパイル
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プリコンパイルコントラクト(Precompiles)を導入することで、イーサリアムにBLS12-381曲線演算のサポートを追加し、BLS署名の検証を可能にします。また、複数の署名を1つに集約できるため、検証の複雑さを低減できます。
EIP-2935:状態内での履歴ブロックハッシュの保存
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システムコントラクト内に過去8192個のブロックハッシュを保存することで、ステートレスクライアントモデルをサポートし、履歴ブロックハッシュの柔軟な照会機能を提供します。これらのハッシュ値はコントラクトから直接照会でき、ステートレスクライアントに証人バンドルとして提供されます。
ただし、当初注目を集めていた技術提案EIP-7594は、すでに6ヶ月以上更新が止まっており、Pectraアップグレードには含まれないと見られています。EIP-7594はデータ可用性サンプリング(DAS)プロトコルを導入し、データの一部しかダウンロードしない状況でもBlobデータの可用性を保証することを目指していました。
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