
iOS18「+AI」 Appleは「AIスマホ戦争」から逃れられない
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iOS18「+AI」 Appleは「AIスマホ戦争」から逃れられない
「AIスマートフォン」という人気のトレンドにおいて、Appleが参加しないわけにはいかない。
執筆:木沐
世界中のテクノロジー企業が大規模モデルの開発に躍起になる中、時価総額世界トップ10に入るアップルはやや存在感を欠いている。ChatGPTのような「何でもできる」生成AIによって、Siriは「低インテリジェンス」という印象を与えている。
サムスン、ファーウェイ、OPPO、vivoなど各スマートフォンメーカーが次々とAIスマホを開発する一方、アップルはずっと静観していた。しかし今年5月、WWDC24(ワールドワイドデベロッパーズカンファレンス)開催までまだ十数日という時期に、アップルに詳しいブロガー記者マーク・ガーマン氏が情報をリークした。それによると、生成AI機能がiOS 18に搭載されるという。
各方面からの「アップル情報筋」の報道を見る限り、アップルはChatGPTたちと直接競合するために独自の大規模モデルを開発するつもりはなく、むしろ優れた外部モデルをシステムに取り入れ、生成AIを使って新機能を創出したり既存機能を強化する方針だ。たとえばSiriがユーザーの意図や複雑な指示をより正確に理解できるようにし、会話形式で詳細かつパーソナライズされた応答を提供するよう進化させる。
基盤となるモデル選定においても、GPTで世界的に注目を集めたOpenAIがアップルのパートナーになる可能性が高い。AIスマホというホットな市場において、アップルが不参加でいることはできないのだ。
iOS18に生成AI導入へ、Siriが「知能向上」
予定では、今年のアップルWWDC24は米国時間6月10日(日本時間6月11日午前1時)に開催される。大会まであと十数日というタイミングで、新OS「iOS 18」がアップルファンの注目の的となっている。「果たしてAI機能があるかどうか」が、世間の関心の焦点だ。
実は最近、アップルは公式ニュースリリースを通じて一部の情報を明らかにしている。iOS 18には一連のAI機能を統合する新たな機能が追加されるとのことだ。
ブルームバーグの記者マーク・ガーマン氏ら「アップル情報筋」の報道を総合すると、以下の通り:
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初のAI対応となるiOS 18はBeta版またはプレビュー版としてリリースされる見込み;
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AI機能には音声メモの文字起こし、AIによる写真編集、メッセージ返信の提案、SafariおよびSpotlightでのスマート検索などが含まれる;
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iOS 18には単独のチャットボットが搭載され、その基盤技術はOpenAIの大規模モデルが提供。アップルとOpenAIの提携はWWDC24で正式発表される;
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AI機能付きのiOS 18は最新モデルのiPhoneから先行搭載される;
現時点で流出している情報をまとめると、アップルは「OS先行」の戦略で正式に「AIスマホ」市場に参入する。また、OpenAIの大規模モデルとの連携により、アップルユーザーは地域制限なく世界最先端のAIモデルを体験できる可能性がある。
アップルはWWDC24でiOS18を発表
機能面では、AIがアップルのハードウェアに「知能向上」と新たな体験をもたらす。
SiriアシスタントはAIによって大幅にアップグレードされる可能性が高い。また、「スマート要約」はアップルがAI活用で重点的に推進するプロジェクトで、通知、個人メッセージ、ウェブページ、記事、ファイル、ノートなどのコンテンツを自動的に要約してくれる。さらに「生成AI」はメールやSMSの返信作成にも利用される。
アップルのAI機能がどれほど魅力的かは、iOS 18の正式発表まで待つ必要がある。ただし、すでに他のスマホメーカーは要約、生成、編集といったAI機能を自社製品に組み込み、「AIスマホ」という概念を早くから打ち出している。こうした競争の中で、アップルが無視し続けるのは難しい。
「AIスマホ」市場では、中国ブランドが最も積極的に動いている。
今年初めのOPPO発表会では、CEOの劉作虎氏が「OPPOは正式にAIスマホ時代に突入した」と宣言。後続モデルであるReno 12シリーズは、販売開始当初からAI機能を備えたColorOSを搭載している。vivo X100シリーズやvivo X Fold3シリーズも、自社開発の「藍心大模型」を搭載し、モバイル端末上での生成AIの実用化を実現している。
ファーウェイP70シリーズの発売に伴い、中国スマホの「王者」ファーウェイも生成AIの競争に本格参戦した。自動車開発に忙しい小米(シャオミ)も「本業」を忘れておらず、以前は「AIスマホはただの流行り」と述べていたものの、大規模モデルのスマホ搭載には一切拒否せず、小米14Ultraには「小米影像脳AISP」(AI大規模モデル計算フォトグラフィープラットフォーム)を搭載し、カメラ性能の進化を実現している。
海外でも「AIスマホ」は人気キーワードだ。OpenAIと自社大規模モデルで対抗するGoogleは、昨年10月のハードウェア発表会で、自社のGeminiモデルをPixel 8シリーズに搭載すると発表済み。サムスンも今年1月25日、Galaxy S24シリーズ3機種を発売し、クラウドと端末側の両方で大規模モデルを活用することでAI機能を強調している。
2024年、アップルの参入により、「AIスマホ」は間違いなく最もホットな分野の一つとなった。だが、これらは本当に「AIスマホ」と呼べるのだろうか?
「AIスマホ」純度低く、性能は依然として大規模モデルに依存
IDCの定義によれば、AIスマホとはNPU(ニューラルネットプロセッサ)の演算能力が30 TOPS(INT8)以上であり、生成AIに対応したSoCを搭載し、端末側で大規模モデルを動作させられるスマートフォンを指す。
中国電信が発表した『人工知能端末白書』でも、AI端末(すなわちAIスマホ)の定義を明確にしている。プラットフォーム要件としては、ハードウェア演算ユニットやディープラーニングフレームワークなどが求められ、能力面では顔認識、音声アシスタント、シーン認識、システム最適化などの機能・性能が規定されている。またアプリケーション面では、美肌、背景ぼかし、写真分類、AR動画、翻訳など、AIによる体験が必要とされる。
簡単に言えば、AIスマホとはディープラーニングフレームワーク/AIチップを搭載し、AIアプリを動作させ、一般的なAI機能を持つスマートフォンのことだ。
こうした基準から見ると、現在市販されている「AIスマホ」はあくまで移行期の製品であり、AIチップを搭載していない従来型スマートフォンは、正確には「AIアプリや機能を備えた携帯電話」と表現すべきだろう。
多くの製品は、既存のOSに大規模モデルを統合するか、API経由でモデルを呼び出すことで、内蔵機能やアプリに生成AIの能力を持たせている。たとえばサムスンのGalaxy S24シリーズは、大規模モデルの接続によりリアルタイム翻訳、囲って検索、AIアシスタントによる要約生成などの機能を実現している。
比較すれば明らかだが、現在の各社AIスマホの機能は非常に似通っており、使い勝手の良し悪しは最終的に基盤となる大規模モデルの性能にかかっている。
各AIスマホの機能とモデル比較
中国国内のスマホ市場でシェアトップ5に入るブランドの多くは、すでに自社の端末側大規模モデルを発表している。ファーウェイの「パングー大模型」、OPPOの「アンディス大模型」、vivoの「藍心大模型」などがそれに当たる。一方サムスンは「借り物主義」で差を縮め、AI機能を前面に出したGalaxy S24シリーズにはGoogleのGemini大規模モデルを直接搭載している。
体験はどうあれ、消費者にとっては「+AI」機能が追加されても価格が大きく上がらないのは良心的と言える。たとえばサムスンGalaxy S24シリーズのスタート価格は5499元で、前世代のS23シリーズの5199元と比べて300元の増加。OPPOの新型AIスマホReno12シリーズは2699元からで、前世代Reno11シリーズの2499元から200元値上がりしている。
ほとんど値上げしない「AIスマホ」は、ある問題を浮き彫りにする。つまり、コアとなるスマホチップはまだAI時代に入っていないということだ。とはいえ、多少「話題作り」的な側面があっても、AIスマホは売り上げの伸びにつながっている。
市場調査機関Counterpoint Researchの最新データによると、2024年1月28日から2月17日の3週間で、サムスンGalaxy S24シリーズの世界販売台数は、前年同期のS23シリーズ比で8%増加した。OPPO初のAIモデル搭載スマホFind X7シリーズも、発売後3か月間の販売台数が前世代比で132%増加した。
そして今、最後に参入する大手スマホメーカーであるアップルも、自社開発の大規模モデルを持たないまま、最新OS iOS 18にAI機能を組み込むことを決めた。例年通り秋に発売される新型iPhone「iPhone 16シリーズ」が最初に搭載する可能性が高い。アップルの巨大なユーザー基盤と、他社のAI化による市場テスト結果を踏まえれば、「アップル流AI」は新ハードウェアの販売促進に大きく貢献するだろう。
しかし、過渡期の「AIスマホ」にはもう一つの課題がある。もしサードパーティアプリでも同じAI機能が実現できるなら、「AIスマホ」の魅力はどこまで持続するのか?実際、ChatGPTアプリはすでにリリースされており、それをインストールすれば、スマホ自体が「AIスマホ」でなくても、ユーザーはAI機能を使えるようになる。
これが、各メーカーが「AIスマホ」を発表しても、一部のユーザーが「体験の進化は革命的ではない」と感じる理由だ。真の意味でのAIスマホの到来には、まだチップ技術の飛躍的進歩が必要なのである。
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