
バイナンスは結局アメリカからいくらの罰金を科せられたのか?
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バイナンスは結局アメリカからいくらの罰金を科せられたのか?
バイナンスは現在、米国政府にとってまさに黄金の卵を産むガチョウと言えるだろう。
執筆:0xjs、金色経済
趙長鵬氏が米国で勾留された一件はあったものの、多くの人々は、Binanceの和解案件は「43億ドル」という巨額の罰金に関する報道に埋もれ、12月18日までに一区切りついたものと考えていた。
しかし同日、米国CFTC(商品先物取引委員会)は公式ウェブサイトで発表し、米国イリノイ州北部地区連邦裁判所が、2023年11月21日に発表されたCFTCとBinanceおよび趙長鵬氏との間の和解合意を承認したと伝えた。Binanceと趙長鵬氏がCFTCに対して28.5億ドルを支払い、これによりCFTCによる法執行措置が終了するというものである。

よく調べてみると、CFTCが11月21日に発表した和解合意に含まれるこの28.5億ドルという金額は、当時、Binanceに対する43億ドルの巨額罰金という情報に覆い隠されていたのである。
騒然とした雰囲気の中では、誰も真剣にBinanceが米国政府から実際にどれだけの罰金を科されたのかを追究しなかったように思われる。
ここであらためて、米国CFTC、米国財務省(FinCEN、OFAC)、米国司法省の和解文書を丁寧に読み解いてみよう。
CFTC 28.5億ドル和解金の内訳
CFTCへの28.5億ドルの和解金には以下の内容が含まれる:
1、13.5億ドル:Binanceが不正に得た取引手数料(不当利得)として返還・追徴(disgorge)される金額

2、1.5億ドル:趙長鵬氏に対する民事罰金

3、13.5億ドル:Binanceに対する民事罰金

CFTCの和解文書によると、CFTCは28.5億ドルを受け取ることになるが、この28.5億ドルの具体的な配分先(credit)については一切言及されていない。
米国財務省 43.68億ドルの罰金の内訳
米国財務省が公表した情報によれば、Binanceとの和解に関与したのは主に同省内の二つの機関、FinCENとOFACである。
そのうち、FinCENが科した民事罰金は34億ドル、OFACが科した罰金は9.68億ドルである。
FinCEN 34億ドルの民事罰金の配分
FinCENの34億ドルの民事罰金の配分において、米国司法省(DOJ)とCFTCが合計24.7億ドルを、米国運輸省(DOT)が7.8億ドルを受け取る。また、FinCENは1.5億ドルの罰金を「猶予」(suspend)しており、Binanceが求められるコンプライアンス義務や監督条件を遵守しなかった場合に限り、この金額が課されることになる。

出典:FinCEN Binance法執行行動文書 P59
OFAC 9.68億ドルの配分
OFACの9.68億ドルの罰金のうち、8.98億ドルはOFACが受け取り、0.7億ドルは米国運輸省(DOT)が受け取ることになっている。

出典:OFAC Binance和解文書 P5
上記画像に注意してほしい。8.98億ドルは、Binanceが米国司法省との有罪認否協定に基づき負担する義務として扱われている。この金額は、司法省との有罪認否協定における金額と一致している。
内訳:
43.68 = 34(FinCEN民事罰金)+ 9.68(OFAC和解金)
34 = 9.3(FinCEN 1.5億猶予 + 財務省 7.8億)+ 24.7(司法省およびCFTC)
9.68 = 8.98(OFAC)+ 0.7(財務省)
なお、1.5億ドルは猶予罰金であり、Binanceがコンプライアンス義務や監督条件を満たさなかった場合にのみ実行される。
したがって、財務省とBinanceの和解文書に基づく和解総額は、43.68 - 1.5 = 42.18億ドルとなる。このうち、米国財務省(FinCEN、OFACを含む)が受け取るのは17.48億ドル、残りの24.7億ドルは司法省とCFTCが分配することになる。
米国司法省(DOJ)43.6億ドルの内訳
米国司法省が発表した内容によると、Binanceは25億1065万588ドルの没収に同意し、さらに18億5475万575ドルの刑事罰金(Criminal Fine)を支払う。合計で43億1612万6163ドルとなり、これに趙長鵬氏個人に対する5000万ドルの罰金を加えると、総額は43.6億ドルとなる。
18.05億ドルの刑事罰金の配分

出典:Binance 米国司法省有罪認否協定 P13
18.05億ドルの刑事罰金のうち、CFTCが9.5億ドル(CFTCクレジット)、米国財務省(FinCENまたはOFAC)が8.5億ドルを受け取る。
18億(刑事罰金)= 9.5億(CFTC)+ 8.5億(FinCEN/OFAC)
25.1億ドルの没収金の配分

出典:Binance 米国司法省有罪認否協定 P15
このうち16.12億ドルは米国ユーザーからの取引手数料による不正利益、8.986億ドルはイランなど制裁対象国との取引によるものであり、これは前述の「米国財務省 OFAC 9.68億ドルの配分」でOFACが受け取るとされた8.98億ドルと一致する。
25.1億(没収)= 16.12億(不正利益手数料)+ 8.98億(OFAC)
内訳:
43.6 = 18(刑事罰金)+ 25.1(没収)+ 0.5(趙長鵬個人罰金)
18 = 9.5(CFTC)+ 8.5(FinCEN/OFAC)
25.1(没収)= 16.12(不正手数料利益)+ 8.98(OFAC)
米国司法省の和解文書によれば、和解総額は43.6億ドルである。このうち、米国財務省(FinCEN、OFACを含む)は17.486億ドルを受け取り、CFTCへ明確に割り当てられたのは9.5億ドル。残りの16.12億ドルについては、配分先が明記されていない。
まとめ
Binanceに対する法執行措置に関与した三機関の和解文書を比較すると、以下の点が明らかになる:
1. 三機関の和解金額自体が一致していない:米国財務省の和解額は42.18億ドル、司法省は43.6億ドル、CFTCは28.5億ドルである;
2. 財務省と司法省の文書によれば、米国財務省が受け取る金額は約17.48億ドルで一致している;
3. 司法省の文書によれば、財務省に割り当てられた17.48億ドルと、CFTCに明示的に割り当てられた9.5億ドルを差し引くと、残り16.12億ドルの配分先は不明である;
4. CFTCの文書では、BinanceがCFTCに28.5億ドルを支払うことになっており、これは財務省・司法省の文書に記載されたCFTCへの最大配分額を上回っている;
5. CFTCの文書には28.5億ドルの配分先について全く記載がない。すでに裁判所がCFTCの和解合意を承認しているが、財務省の文書では、司法省とCFTCが合わせて24.7億ドルを分配することになっている;
6. 三機関の和解文書間に矛盾があるため、現時点ではBinanceの和解総額を確定できない。だが明らかに、Binanceは「刀の上の魚」の状態にあり、米国政府は既に約束を反故にしており、趙長鵬氏も拘束されている;
7. 三機関の和解文書はすべてBinanceが署名済みであり、それぞれが自らの利益を最大化しようとしている可能性がある。そのため、CFTCが率先して自らの和解合意を裁判所で承認させたという事情も理解できる;
8. すでに確定している金額だけで45.98億ドル(財務省17.48億 + CFTC 28.5億)に達しており、11月の「報道」で伝えられた43億ドルを超えている。しかも、司法省が受け取る分はまだ含まれていない;
9. すべての和解文書には「再犯すればより重い罰則を科す」という懲罰条項が含まれており、米国の「罠执法(ハニートラップ)」は悪名高い。
つまり現在、Binanceは米国政府にとってまさに「黄金の卵を産むガチョウ」のような存在なのである。
「羽を抜いてもガチョウが鳴かないようにする」「十分に蓄積した後に一度に刈り取る」――これが米国政府にとって最適な戦略なのかもしれない。
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