
AI時代に「データは石油」という比喩がありますが、私たち一般人はどのようにして探査からガソリンの販売まで関わることができるのでしょうか?
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AI時代に「データは石油」という比喩がありますが、私たち一般人はどのようにして探査からガソリンの販売まで関わることができるのでしょうか?
今日から始めよう——コンピュータを一台購入し、「インスピレーションのデータソース」を構築して、あなたの最初の小型油田を掘り起こせ。
執筆:黄世亮
「データは新たな石油だ」という言葉は、AI業界ではもはや聞き飽きたフレーズだ。だが主流の物語の中では、この話は私たち一般人とはまったく関係ないように思える――これはテクノロジー大手による資本ゲームであり、GPUと兆単位のパラメータを競い合う世界のことだ。
だがよく考えてみると、この比喩こそがAI時代に私たちが行動する上での優れたコンパスになっていることに気づいた。
一、深刻に誤解されている比喩
「データは新たな石油だ」という言葉は、今やAI時代の聖書のようなものだ。
正直に言えば、多くの人がこの言葉を聞いた瞬間に思うのは、「は?これって大企業の話じゃん、俺たち一般人に何の関係があるんだ?」という反応だろう。
なぜなら、一般的な物語の中で彼らが言う「データ」とは、インターネット全体やウィキペディアといったPB規模の膨大な情報であり、「精製技術」とは数万枚のH100 GPUと年収百万ドルの科学者たちのチームであり、「最終製品」はGPT-5のような全能の神モデルなのである。
ビジネスの文脈ではこの論理に間違いはないが、問題は――つまり「お前には参加資格ないよ、席に着けない」と言われているようなものだ。
私たち一般人は初めから排除されている。
さらに腹立たしいバージョンもある:
データは新石油、消費者の購買データはベネズエラの油田。美团、アリババ、抖音(ドウイン)などの企業は、まるでアメリカのトランプのような存在だ。
彼らは(実際は意図的に)私たちのところにやってきてパイプラインを差し込み、無料で私たちのデータを奪い去り、「98オクタンガソリン」(正確なアルゴリズム、ビッグデータによる差別的価格設定)に精製して、逆に強引に売りつけてくる。
結果として、私たちは大きな損失を被る――原材料を無償で提供し、売られているのに加えて、そのプラットフォームのためにお金を数えさせられている。
この物語ではプレイヤーは巨大企業だけだ。私たちには大量のデータもなければ、資本もないし、大規模モデルを訓練することも不可能だ。「データは新たな石油」は、いかにもかっこいいが個人にはまったく役に立たず、むしろ不快なスローガンになってしまう。
二、視点を変えれば、救いはある
私はこの共通認識に問題があると思う。視点を変える必要がある。
もし本当に「データは新たな石油」という概念を私たち一般人にも当てはめようとするなら、問題は「この比喩が正しいかどうか」ではなく、「どうやって自分の行動に活かせるか」だ。
石油産業が強力なのは、非常に明確で誰も回避できない論理の連鎖を持っているからだ:
油田探査 → 精製工場建設 → 製品の標準化(ガソリン) → チャネル構築(ガソリンスタンド) → ユーザーへの販売。
私たち一般人にとっても、AI時代の「データ石油」は、これらのステップを厳密に分解して考えるべきだ。一つでも欠ければ、AIへの不安は生産性に変わらず、「ニュースを更新+リンクを保存+他人の成功を見る」という精神的消耗にしかならない。
以下に、この論理に基づいて一般人がどう行動すべきかを解説する。
三、第一歩:油田はどこにある?――身近な「マイクロ油田」を探せ
伝統的な業界ではサウジアラビアやロシアに行かなければならないが、私たちのルートでは油田は実は手元にある。大きく分けて二種類あると考えている。
1. 個人の所有データ:自宅の裏庭
最も見落とされがちだが、最も安定したタイプのデータだ。規模は小さくても、純度は極めて高い。
例えば、自分の仕事のプロセス、意思決定のロジック、失敗からの教訓(振り返り)、長年の業界経験で知った潜規則など。
また、デジタル足跡:過去10年間のノート、コードベース、下書き、メール……これらすべてが該当する。
このデータの価値は、完全にあなた自身のものである点にある。このようなデータで訓練された「個人用デジタルツイン」や「特定分野のエキスパートエージェント」は、汎用大規模モデルでは代替できない。
もし過去5年間ほとんどPCを使わず、スマホだけで生活してきたなら、AIプロデューサーになるのは難しく、必然的にAIコンシューマーのままだろう。
本当にAIでお金を稼ぎたいなら、PCを買うべきだ。なぜか?
PCがなければ体系的なデータ蓄積ができず、「完全な貧油国」のまま終わる。スマホの写真フォルダや、微信(ウィーチャット)の数十GBの音声・雑談チャット記録が何か大きなことを成すとは思わない方がいい――不純物が多く、構造が悪く、まともな92オクタンガソリンは精製できず、せいぜい29オクタン程度だろう。
2. 公共データの富鉱:自分だけの「探査隊」を編成せよ
第二のタイプは、誰でも見られるが、99%の人は「消費」しているだけで「探査」していないデータ:X.com、公式アカウント、arXiv、YouTube……これらがデータ時代の「公海」だ。
今のインターネット、特にソーシャルメディアの環境は急速に悪化している。50%以上、おそらく90%以上がAGRC(AI Generated Rubbish Content=AI生成ゴミコンテンツ)だと断言できる。
彼らはAIで大量に無意味な内容を生産し、地層そのものを汚染している。地質調査をする際に注意しなければ、掘り返すのはすべてゴミだ。
さらに悪いのは、ゴミを脳やAIに与えると、最終的に出てくるのもゴミになり、最悪の場合、あなたの精製工場そのものが詰まってしまう。
そのため、掘り出すものがAGRCでないことを保証するために、厳選された「インスピレーション源コンボ」を構築すべきだ。ただし注意:見るだけではダメだ。これは原油の蓄積にすぎない。**原油の初期加工** を学ぶ必要がある――各情報源をAIで処理し、機械が理解できる燃料に変換する:
深層堆積岩(書籍):船のアンカーとなる。年間読書リストを決め、専門書や文学もバランスよく含める。
AI併用法:ただ読むだけはダメ。GeminiやChatGPTを活用し、一章読んだら議論させ、思考問題を出させる。読み終えたら必ず電子版の読書ノートを作成し、AIに取り込ませる。これがあなたの知識ベースになる。
先端探査地域(論文・レポート):定期的にarXivやGoogle Scholarをチェックする。毎週「論文ランチ会」を設け、無理やりでも一編は読み込む。
AI併用法:原文が読めない?PDFをNotebookLMやChatGPTに投げて、核心的主張とデータを要約させ、「噛みにくい骨」を「濃厚なスープ」に変えて保存する。
地表流(ニュース・情報):RSSやカスタムフィードを使う。ニュースはタイトルだけを素早くチェックし、本当にすごいものだけ深く保存する。
AI併用法:リンクを保存するだけではダメ。内容をコピーし、AIにタグ付け・キーワード抽出をさせ、ノートアプリに分類保存。さもないと保存しても埃を被るだけ。
付随ガス田(ポッドキャスト・講演):通勤中にTED Radio Hourなどを聞く。月に1~2回は強制的にオフラインサロンに参加する。
AI併用法:良いアイデアを聞いても、うなずくだけではダメ。Whisperで音声を文字起こしし、AIに構造化されたノートに整理させる。音声は検索できないが、テキストなら可能だ。
高産油井(ソーシャルメディア):Twitter/Xで真の専門家をフォロー。定期的にフォローリストを整理し、感情的ゴミを発信するアカウントはブロック。
AI併用法:素晴らしいスレッドを見つけたら、AIにコピペして、その人の論理的矛盾を分析させたり、自分の知識体系に組み込ませる。
現地調査(生活観察・フィールドワーク):「問題意識を持って生活を見る」練習を意識的に行う。これはAIクローラーが絶対に取得できない感性的データだ。
AI併用法:ひらめきが来たらタイピングせず、直接音声でしゃべり、AIに日記として整理させる。AIを使って、ぼんやりとした独り言を論理的な洞察に変える。
私たちは、いつでもスマホを取り出して豆包(ドウバオ)に向かってしゃべる習慣を身につけるべきだ。
この6つの情報源が、あなたの「複合油田」だ。入力が野生的で多様であり、かつすべてAIによる初期加工を経ていれば、生み出されるものは陳腐なものにはならない。
四、第二歩:精製装置はどこにある?――大規模モデルだけに注目するな
油田を見つけたら、次は精製だ。マスコミはいつも「GPUを買え」と煽ってくるが、個人にとっての真の精製工場は、自分自身のソフトウェアスタック+思考プロセスだ。
1. 大規模モデルはただの「ボイラー」
ChatGPT Plusの会員になっても、自分自身が賢くなるわけではない。それは明るいボイラーを見て「すごい!」と言うだけで、実際には何も始まっていないのと同じだ。
ChatGPT、DeepSeekなどの大規模モデルは、言ってみれば基礎動力ユニット、土台にすぎない。火は灯るが、それがそのまま石油生産を意味しない。
2. 真の精製工場は「個人ツール体系」
効率的な個人精製工場には、以下の構成要素が必要だ:
パイプライン(ツールチェーン):VS Code、Python、Skillsなど。
プロセス設計(方法論):ここが真の競争優位。どのようにプロンプトを書くか、RAG知識ベースをどう構築するか、複数のエージェント(skills)をどう協働させるか。
常に焦点は「モデルがどれだけ強いか」ではなく、「どうAIとやり取りするか」「頭の中の暗黙知をAIが理解できる指示にどう翻訳するか」にある。
この「個人エンジニアリングシステム」こそが、あなたの精製工場なのだ。モデルそのものではない。
五、第三歩:製品化より販売が最大の難関
これが全工程で最も過酷な段階だ。中石油は石油をガソリンスタンドまで運べば、自動車ユーザーが自然と列を作る。だがAI時代において、製品化と販売は本当に難しい。
1. AIで精製された「ガソリン」は極めて非標準
「個人データ」+「大規模モデル」で生み出されるものの大半は、汎用的なガソリンではなく:
- 自分にしか使えないPythonスクリプト
- 独自のスタイルを持つ文章
- 病院の診断後にAIで加工した報告書
- 個別化された法律相談アドバイス
こういったものは汎用性がなく、非標準的で、特定の状況にのみ適している。
2. 真の難問:誰に売るのか?
だから作る前に逆に問うべきだ:「自分が作ったものを、一体誰に売るのか?」これは逆に、「どんな油を精製すべきか?」を決める。
自分自身に売る(自用):時間節約=お金儲け。これは最も簡単に実現できるサイクルだ。
企業に売る(B2B):プロンプトやワークフローをソリューションとしてパッケージ化。これには極めて強いプリセールス能力(つまり「説得力」)が必要。
一般大衆に売る(B2C):アプリやコンテンツコラムにする。これには配信力(トラフィック獲得能力)が求められる。
実際、AI時代の「精製(コンテンツ生成)」はますます簡単になっているが、「ガソリンスタンドの建設(配信・販売)」はかつてないほど困難になっている。
六、環境保護を忘れるな:廃棄物に埋もれるな
従来の石油精製は廃渣、廃水、排ガスを生む。処理しなければ、精製工場が儲かる前に、作業員がまず死ぬ。
データ精製も同じで、「サイバー汚染」は極めて深刻であり、「環境保護部門」を設けて定期的にクリーニングする必要がある。
1. 古くなった「ツール廃棄物」を処分
AIの進化スピードは信じられないほど速い。
先月「2025年必須AIナビサイト10選」として保存したものが、今週には半分が閉鎖しているかもしれない。今日必死で調整しているAI画像生成パラメータも、明日には「ワンクリック生成」によって完全に無価値化されるかもしれない。
「サイバートラッシュコレクター」になってはいけない。使い切った古いツールをためこんで捨てられないのはNG。アンインストールすべきはアンインストールし、フォロー解除すべきは解除する。ツールは使うためにあるのであって、神棚に祀るものではない。
古いツールをためることは、家に錆びた金属くずを山積みにするのと同じ。あなたの動作速度を確実に遅くする。
2. 榨りかすの「データ空殻」を捨てる
多くの人が「リス症候群」に陥っている:PDFを見つけると即ダウンロード、動画を見ると即保存。ハードディスクに数TBの資料を詰め込み、「自分は世界を手に入れた」と錯覚する。
それは知識ではなく、埋立地のゴミだ。
真の環境保護策は、AIを使ってPDF、動画、長文から「油」を搾取すること――要約を作成し、名言を抽出し、自分のノートに変換する。
一旦搾り終わったら、元ファイルは削除する(または冷蔵保存)。あなたの注意力は極めて貴重な有限リソースだ。原始ファイルに帯域を占有させない。
「精製済み燃料」だけを保持し、「原油の空殻」は捨てる。それこそが高効率な精製工場だ。
3. 「吸血ゾンビ請求」を断ち切る
AIへの不安は、多くの愚かな行動を引き起こす。その中でも最も愚かなのは、「安心感を買うために急いでお金を払うこと」だ。
講座受講、教材購入、イベント参加、Plus会員契約……コストは決して安くない。さらに問題なのは、一度サブスクリプション(月額課金)すると、つい解約し忘れてしまうことだ。
以前、テスト用にサーバーを借りたことがあるが、最低でも3年以上、毎月静かに料金を引き落とされていた。たくさんの請求書の中に隠れており、まったく気づかなかった――実際はテスト当日にしか使っていない。
また、勢いでChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity……など多数の自動継続課金サービスやAPIを購入したこともある。結果は?ほとんどの期間、ただ放置されていた。
くそ、本当に無駄だった。
これらは「環境保護」の一環として必ず片付けるべきだ。さもなければ、売れる油を精製する前に、家の財産がこうした汚染によってすでに盗まれてしまう。
七、最後に:行動マップ
「データは新たな石油だ」という壮大な外衣を剥ぎ取れば、それはもはや遠い資本の物語ではなく、一般人に向けた厳しい行動地図になる。
この時代に勝ちたいなら、すぐに自分の「貸借対照表」をチェックせよ:
- 埋蔵量:まだ抖音をスクロールしているか?それとも「インスピレーション源」+AIを活用し、意識的に高品質データを蓄積しているか?(AGRCゴミを避けること)
- 生産能力:自分だけのツールと方法論(精製工場)を持っているか?そして何を精製しているか?
- 流通チャネル:自分が作った非標準製品を、結局誰に売るつもりか?これを考えることで、92オクタンか98オクタンかを逆算できる。
- 環境保護:デジタルゴミをため込んでいないか?クレジットカードの請求書を確認し、ゾンビサブスクリプションを切りましたか?
最後にアドバイス:数百億パラメータのニュースは忘れろ。今日から始めよう――PCを買い、自分の「インスピレーションデータ源」を構築し、最初のマイクロ油田を掘り起こせ。まずは自分自身に売る形で、自分の仕事をAI主導・自分補助の自動化ツールに固定化する。
正直に言えば、私も3年以上AIに取り組んでいるが、何も精製できていない。ToDoリストをAIに管理させ、読書ノートをAIに管理させるくらいしかできていない。これから何を精製できるか、まだ考え続けている。
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