
2023年の展望:GameFiなどのコンセプトがサイクルの中で回復し、Web3の体系化がトレンドとなる
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2023年の展望:GameFiなどのコンセプトがサイクルの中で回復し、Web3の体系化がトレンドとなる
2023年の展望:GameFiなどのコンセプトがサイクルの中で回復し、Web3の体系化がトレンドとなる
執筆:Harry Liu、Forj CEO
翻訳:Wayne Zhang、Forj Network
2023年のサイクルとシステムについて議論する前に、まず2022年Q4の投資状況を比較し、VCのデータから2023年の新たなトレンドを探ってみましょう。
2021年Q4にはWeb3分野で416件の資金調達が行われましたが、2022年は件数が32%減少し、283件となりました。平均調達額は1560万ドルと、前年比61%にまで低下しています。このデータは現実と矛盾しているようにも見えます。なぜなら、昨年と比べてWeb3は採用面でも技術革新面でも大きく進歩しているにもかかわらず、規模・件数ともに大幅に減少しているからです。その一因として、熊相場という背景のもと、資金が次第に慎重になっていることが挙げられます。

大規模な資金調達は主にゲームプラットフォーム、NFTFi、メタバースインフラ、クリエイター経済などの分野で発生しました。ゲーム分野ではFenix Gamesが四半期最大の1.5億ドルを調達し、それに続くImprobableも1.11億ドルを獲得しました。

分野別に見ると、Q4においてPOLYCHAIN Capitalはインフラ分野で7回出資しており、いずれも主導的な役割を果たしました。その平均調達額は約1900万ドルと、非常に積極的な投資姿勢を見せています。以下の図は、Q4に他の分野へ積極的に出資したVCたちとその投資状況を示しています。
なお、当社の過去のWeb3の大規模採用に関するレポートでも言及したPolygonは、複数のWeb2ブランドと提携し、NFTやメタバースなどを活用してWeb3の普及を推進しています。提携活動以外にも、Polygon VenturesはQ4だけで13件の投資を行い、平均654万ドルを投じており、主にNFTおよびゲーム分野に注力しています。

2023年のテーマ
ここ2年を振り返ると、2021年のテーマは「メタバースの相互運用性」、2022年は「ネットワーク効果」でした。そして2023年の物語は、「サイクル」と「システム」という二つのサブテーマによって構成される可能性があります。一方では、好況時に登場したメタバース、X2E、GameFiといった概念が、熊相場での研鑽を経て再び台頭すると予想されます。他方で、インフラの整備や革新的技術の継続的出現により、「体系化」がトレンドとなり、Web3市場の仕組みやメディアシステムなどが構築されていくでしょう。

システムと制度
1880年から1930年にかけて、米国はさまざまな基盤的イノベーションを実現しました。重要なインフラが登場し、それを基盤とする電力、道路、都市計画などのシステムが構築されました。1930年から1970年までは、イノベーション自体が体系化され、教育の質向上が生産性を高め、組織、工場、メディア、管理制度などが次第に誕生・整備されていきました。1970年以降現在に至るまで、私たちはシステムが拡張され続け、新たなシステムが不断に構築されている時代にいます。独占が増加し、規制も厳格化する中で、人々は権力を制限するために新たなシステムを創造しました。今まさに、システムおよび体系化されたイノベーションが社会の進歩を牽引しています。
ここで一つの問いを考えてみましょう。「ゲームは学校に取って代わることができるか?」特にアジアの一部の学校では、成績やKPIが非常に重視されています。多くの学生はまるでテストロボットのように訓練され、成績を上げようとします。しかし実際には、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンで、小学校から大学までのあらゆる知識を学ぶことができます。知識の評価は成績に縛られてしまいますが、本当にその知識を習得し、巧みに使えるかどうかこそが社会に求められているのです。デメリットはあるものの、これは成熟した制度です。我々は、こうした制度上のイノベーションがさらに進めば、生産性をより高められると信じています。例えば、「データ→情報→知識→知恵」という知識取得プロセスの最適化などです。

ソーシャルメディアにおいても、フォロワー数や閲覧数は一種の「スコア」となり、まるでゲームのようです。フォロー数が多いほどランキングが上昇します。Forj Researchもこのゲームに参加しており、リサーチレポートの発信を通じて信頼と注目を集めています。このソーシャルメディアというゲームの中で、アプリの利用やコンテンツの投稿を通じてより多くの人々と出会い、収益を得ることも可能です。インターネット全体を一つの存在と見なせば、各サービスはそれぞれ一つのシステムであり、Twitterはゲームではないかもしれませんが、日次アクティブユーザー2.5億人のゲームと言えるかもしれません。
企業はしばしば、業界全体のイノベーションよりも自社の利益を優先します。かつて時価総額30億ドルを誇り、フィルム撮影分野で世界トップ30に入る強豪企業だったコダック。実はデジタルカメラという技術を最初に開発したのはコダック自身でしたが、フィルム事業の高い利益率が長期的に維持されるとの前提のもと、これを戦略的優先事項とはしませんでした。その後の展開はご存じの通り、デジタル製品の登場によりコダックは衰退の一途を辿りました。
過度に体系化された世界は、思想の多様性を欠き、従順なマインドセットを育て、現状維持を優先させ、新しい破壊的イノベーションを受け入れにくくなる可能性があります。これにより、イノベーションや創造性が抑制され、起業家精神が阻害される恐れがあります。一方で、このような環境は、ある種の人々に疑問を呈し、既存の枠組みに挑戦させ、新たな機会や動機を見出すきっかけにもなるでしょう。
一度システムが規模を拡大すれば、新しい制度やイノベーションによってそれを置き換えることは極めて困難になります。新興企業やベンチャーキャピタルは、体制を覆す革命の中で重要な参加者です。また、複数のシステムを変える方法としては、決定的瞬間(キモ)を待つことが有効です。各分野は今まさにそのような決定的瞬間に直面しており、徐々に受容可能な重要なシステム的イノベーションの採用を始めています。
サイクル
システムが存在するのは、既存の業界、企業、法規、制度が確立し、発展し続けているためですが、サイクルはイノベーションとともに繰り返されます。マーク・トウェインはかつて「歴史は単純に繰り返さないが、驚くほど似通っている」と述べました。

我々はWeb3も同様であると考えています。新しいイノベーションが登場すると、通常、最初は無視され、次に論理的な批判を受け、その後公衆による議論が広がり、最終的に受け入れられて採用される流れをたどります。今日のWeb3、AI、メタバースも、かつての自動車、飛行機、インターネットと同様の道を歩んでいるのです。

Z世代および次世代の登場も、新たなイノベーションサイクルを牽引しています。現在の若者が好むSnapshotやTikTokが主流になりつつあり、スマートフォンやウェアラブル端末もますます普及しています。新しいユーザー、新しい思考方式が新たなニーズを生み出し、新たなサイクルが始まっています。

業界の変化は「分化」と「統合」の繰り返しの中でおこなわれます。インターネットは複数のプロトコル層を組み合わせることで、多様なコンテンツに細分化されました。DeFiの技術革新は新たな流動性を刺激し、クロスチェーンなど各分野における微細なイノベーションが、多機能なアグリゲーターや高度で複雑なDEXを生み出しました。言い換えれば、起業家にとって横方向のイノベーションと縦方向の探求の両方が、業界の発展、さらには成功と富の増加につながる可能性があります。

2021年から2022年にかけて、X2Eの盛衰を目の当たりにしました。Play-to-earnのAxieにせよ、Walk-to-earnのStepnにせよ、当時は大変注目を集めたものの、現在ではNFTの販売額やトークン価格が大きく下落しています。これは「Earn」だけに依存するプロジェクトの持続可能性の低さを示しており、UGC(ユーザー生成コンテンツ)は今後のゲームの必然的なトレンドとなるでしょう。収益化はゲームの副産物となるべきです。新たなプロジェクトの成長サイクルは次のようになります:楽しさ→深い参加とフィードバックの共有→より多くの非投機的プレイヤー→プロジェクトの最適化→さらに楽しい体験。

新たなシステム
区別するために、システムを4種類に分け、それぞれの特性、事例、そしてこれから登場する新たなシステムについて考察します。

産業システム
産業システムは通常、ある企業(業界のリーダー的存在)または業界全体によって構築されます。「一つのことに集中せよ」という起業時のアドバイスは確かに重要ですが、過去10〜15年で状況は変化しました。Slackが2020年にSalesforceに買収された理由は、Microsoftのバンドル型製品体系に勝てなかったからです。マイクロソフトに勝つには、攻撃方法を根本から変える必要があるのです。
多くの企業は設立当初から複数の製品を提供したり、それらを基盤にサービスを展開したりしています。複数の製品を持つことで競合が減り、市場規模が拡大し、バンドル価格調整が可能になり、共通のUI、APIなどを提供でき、より深いつながりを築けます。複合製品企業として、協働そのものが製品となり、基盤となるデータやグラフが重要になってきます。組織構造の変更には初期投資と時間がかかりますが、最終目標がGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)であれば、その価値は十分にあります。Animoca Brandsは、NFT、メタバース、ゲーム分野への投資を通じて徐々にネットワーク効果を形成している好例です。

産業システムにおける最大の変化は、「文化」が製品になることです。以前のライフスタイルを形作るイノベーションとは異なり、現代の消費者は任意のライフスタイルを選べるようになりました。その中で、文化はブランドの認知度と識別性を高める要因となります。製品は物理的なものだけでなく、考え方や文化そのものにもなり得るのです。

市場システム
市場システムは人間の行動システムでもあります。教育制度を例に挙げると、大学は教育、交友、恋愛、地位、創造といった複数のサービスをバンドルしています。オンラインコースではこれらの条件を満たせないと懸念されていますが、次世代の教育サービスの重点は、学習環境の設計に移っています。生徒の好奇心を高め、関心のある分野を掘り下げさせると同時に、さまざまな新領域への理解を促す必要があります。そのためには、より協働的でパーソナライズされたシステムが必要です。この点で、AIがより良い選択肢となるかもしれません。

数年前までは、オフィスという固定された場所での勤務が常態だと考えられていました。しかし今や、リモートワークも徐々に受け入れられるようになっています。米国や日本では、コンバージョン率を高めるために、企業は最低限の便利な商業体験を提供する選択をしています。時代の変化とともに、私たちが求めるのは利便性を強調する買い物体験だけではなく、ゲームのような体験を提供することでユーザーとの関係を深めるブランド体験です。「遊び」の感覚をブランドで埋め込むことが重要です。例えば、Gucciと10KTFが共同制作したNFTのゲーム体験は、4253点のコレクションで3000人以上のコレクターを惹きつけ、収益を得ただけでなく、新たな商業体験を提供しました。

ブランドはかつてマスメディアを通じて常に伝播していましたが、今やテクノロジーとデータがブランドに個別対応の課題を解決させています。ブランドは短時間でユーザーの行動習慣に基づくデータを分析し、正確にターゲット層を特定できます。しかし、プライバシーとコストという課題も生じています。
工場の誕生、生産ラインの発明、グローバルサプライチェーンの発展は、製造業を根本的に変えました。しかし現状では、技術の改善によって効率化・規模拡大を図り、コスト削減を行うのが精一杯です。将来は、物の作り方自体を根本的に変えるサービスが登場すべきです。Elon Muskも「テスラでは、工場自体が車以上に製品だ」と述べています。このような「工場即サービス(Factory-As-A-Service)」こそが、持続可能なシステムになり得るでしょう。

最後にメディアシステムと精神システムについては、今後のレポートで紹介しますが、精神システムに関して明らかな傾向として、優れたアイデアは天才によって生まれるよりも、集団的知性(Scenius)から生まれる可能性が高いということです。良いアイデアが共有され、模倣され、加工され、徐々に具体化され、実践に移されていくのです。

まとめ
価格サイクルは、私たちが今まさに経験している最も顕著なサイクルです。価格の下落は信仰者の創造性を刺激し、熊相場では以下のような現象が見られます:
- 投機家の減少:NFTおよびFTの取引金額・取引件数の減少
- 新ブランドの参入:Nike、Gucci、RedditなどがWeb3に試みを開始
- 技術革新:クロスチェーン、L2s、Move言語など
- ……
技術、製品、ビジネスモデルのどのレベルのイノベーションにおいても、基盤的なイノベーションがWeb3全体のシステム革新を着実に推進しています。新たな起業家や参入者は、Web3システムのルールを再構築しつつあります。X2Eやメタバースが熊相場での鍛錬を経て新たな形で活発化することは予測できますが、さらに確実に言えるのは、次のイノベーションは「天才(Genius)」ではなく「集団的知性(Scenius)」から生まれるだろうということです。
付録:
1. 本レポートは1月19日にBinance Liveにて発表されました。動画版はこちら:https://www.binance.com/en/live/video?roomId=2119321
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